2011年3月10日木曜日

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静岡の市美術館で、
「棟方志功展」を見ました。

以前にも見た、「二菩薩釈迦十大弟子」や、
「女人観世音菩薩」などにまた会えました。

きっといろいろなところを巡回しているのでしょうが、
邂逅を喜ぶ気持ちが、
何か作品に人格のようなものを思い起こさせます。
同じ作品を何度も見るということも新しい発見があるものです。

今回はかなり巨大な板画作品が多く、
あんまり素晴らしくて頭がくらくらしましたが、

雪深い東北の景色が板画の白黒の強いコントラストとなって、
あらわれているのかも知れない、という解説の言葉に共感しました。

その他も、裏彩色という手法で色のつけられた旅絵巻の板画や、
手書きの富士山などに深い感動を覚えました。


薔薇見れば薔薇のゑまひ
牡丹に逢はゞ牡丹の威(ゐ)
あやめの色のやさしきに優しく
女人(にょにん)われこそ観世音ぼさつ

柳絮直(りうじょなほ)ければ即ち直く
松厳(いつ)くしければわれも厳(いつ)くし
杉いさぎよきに、はた、いさぎよく
女人われこそ観世音ぼさつ

そよ風にそよとし吹かれ
時に、はた、こゝろ浮雲
足裏(あなうら)の土踏むちから
女人われこそ観世音ぼさつ

人のかなしみ時には担ひ
よろこびを人に送りて
みづからをむなしくはする
女人われこそ観世音ぼさつ

ぼさつ、ぼさつ、観世音
千変万化
円融無碍(ゑんゆうむげ)もて世を救ふ
女人われこそ実(げ)に観世音

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