2012年12月31日月曜日

12/31

今朝は、街全体が靄の中に包まれていて、幻想的な風景でした。年の瀬になってしとしと氷雨が降り、少しナーバスな気分です。

そろそろ今年のまとめを。


今年はいろいろな所に行きました。

バタバタといろいろな場所で歌をうたい、ギターを弾き、沢山の人に出会いました。

そして、何人かの人とは、別れなくてはいけなかった。

新しい仕事を始めました。

泥のように疲れて、朝、どうしても立ち上がれず、休んだ日もありました。

これは良くも悪くもですが、ずっとステージというところで、何か気持ちのかたまりを、放出することに費やしていました。

今年の最後のほうになって、少し自分の体や心のメンテナンスをする必要がある、と気がつきました。

先日、銭湯で風邪をひいていながらお風呂に入ったら、上がるとき脱衣所で急に体が動かなくなって、手足がしびれ、しばらくベンチにへばりついて惨憺たる思いをしました。

大したことはないだろうと思って、今まで平気でつまらない負荷をかけてきたこの体も、結局は自分の意志だけではどうにもならない、浮世を生きるための借り物なんだ、と何だか妙に深いところで実感したのです。


年末になり、新しい曲が何曲か完成しました。

来年は、いろいろなことのバランスを取りながら、効果的に実践する年にしたいと思うのです。

ちょっと理屈っぽい締めです。


何はともあれ、皆様、本年も大変お世話になりました。

これからもいい音楽を志していきますので、変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いいたします。それだけでなく、沢山楽しく遊びましょう。

良いお年をお迎えください。

2012年12月29日土曜日

12/28


伊太利亭、リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~忘年会。

急に決定しましたので、一部の方にしかお声かけできませんでしたが、少数精鋭?で行い、とても楽しい会になりました。

音楽イベントの忘年会なのに、なんと参加者のほとんどが普段ライブに来ない人。

しかしその肩書きは、芸人さん、役者さん、農家さん、船乗りさん、珈琲屋さん、ミュージシャン、と、何かと皆、評判の面白いことをやっている人で、最後まで楽しい会話が途切れることはありませんでした。

これも伊太利亭のつながりがあってこそ。まるで異業種交流会です。


ありがたいことに、このイベントも、次回で20回目を迎えます。

会の中でちょっと話したことには、最近の風潮として、音楽だけに限らず「ライブ」というものがどんどん軽い存在になっているところがあります。

インターネットを使って簡単に中継し、家で動かなくても観られるように、という考え方も盛んになっています。

その種の技術や、その中での楽しみは、それはそれで素晴らしいものだと思います。

しかし僕たちの気持ちを本当に心の底から動かしてきたのは、いろいろな思いを持ってその場に集まった人たちそれぞれのエネルギーではないかな、という気がするのです。


マスターに誘われて始めた些細なイベントではありますが、楽しみにやって来て下さる方もいます。もっといい場所になるように努力していきたいと思います。

2012年12月26日水曜日

12/26

福祉のほうの仕事で、利用者さんを送って職場に戻る帰り、寄ったところから反対車線に出なくてはいけないところ、車が途切れなかったので、一度左に出てどこかでUターンしようと思い、そちらに出ると、

薄紅から桃色、藤色と変化する空に、青ざめた大きな富士山がそびえていました。

しばらく目が離せなくて、職場とは反対方向にしばらく走ってしまいました。


紅い空はだんだんと蒼く、山もだんだんと藍が深くなって、いつか同じ色になり夜の底に沈んでしまうのです。

はてしなく透明なのに、どこかくすんだような、沢山の見えない色です。


ちょっと出かけるついでに、コンビニに寄ると、とてもうれしい再会がありました。

以前に朗読のバックで演奏をしていたことがありましたが、その時の読み手の方と連絡を取らなくなって、7~8年ぶりにばったり会いました。

その後、何人かの音楽家の方と一緒にやったけれど、やっぱり丸山さんのギターが一番だったと仲間と話していましたよ、とうれしい言葉をかけてくださいました。

自分としては内容に反省する部分も沢山ありましたが、良い活動だったと思っています。


また、何かでつながりを持てたらうれしいものです。


いろいろな活動が、自分の素養になっていることが実感できます。

思えば、今年は…、いかん、思考が「まとめ」に入っている。

2012年もあと、5日あります。もうちょっと生活したら今年のまとめを書いてみます。

2012年12月24日月曜日

12/22


何だか久しぶりに緊張した、というと語弊があるかな。

いつも緊張していないわけではないけれど。

UHUにて僕の大好きなシンガー「ナカムラタツキ」がついに、企画「遊びの国」を立ち上げるということになりました。

僕は彼のバックでギターを弾くことになり、4曲参加しました。半ば僕のほうからお願いしたようなところもあったので、ちょっと普段以上に気合いが入ってしまったわけであります。

出演者は、

黒川浩和(弾き語り)
コギワラ(ジャズ・オリジナル)
深海サイダー(弾き語り)
ナウシカ(ロック)
アカシック・レコード(エレクトロニカ?)
ナカムラタツキ

というラインナップで、みなさん個性的で演奏のクオリティが高く、飽きさせない内容でした。


タツキの音楽の源はどこにあるのかな?

一見普通のカントリー、フォーク風のオリジナル曲、弾き語りなのですが、なぜだか、どういうわけか、自分の心の中のいろいろな気持ちを呼び起されてしまったりして、時にはじーんとしてしまったりする。

自分が横でギターを弾く時も、そういう彼の世界を壊したくない一心になります。聴く人にどう聴こえていたかわかりませんが、また、ぜひ一緒にさせてもらいたいと思います。


ライブハウスの壁に、タツキが絵を張っていました。鳥獣戯画図をいろいろ調べて練習したということです。スケッチブック一冊使ったとか。

なぜ僕が彼の音楽が好きなのか、少しわかったような気がしました。

ちょっと褒めすぎたかな。

2012年12月23日日曜日

12/21


シャンソン。

浜松にあるジャズバー「analog」というお店で、無事、伴奏の仕事が終了しました。

演奏の基本は「ジャズ」なのかな、と思っていると、意外とシンプルなアルペジオ(指弾き)の伴奏で、ソロも、なるべくあちこち飛ばずにゆったりと演奏したほうが、よりその世界に合うことがわかりました。

曲ありき、歌ありき、何よりも言葉ありきの音楽だったのです。


お客さんも、本当に熱烈なシャンソンファンの方が多く、そのメロディ、言葉の浸透力の強さをうかがわせます。

日本のある時期の歌謡曲にも多大なる影響を与えたであろう、素朴で情緒ある曲たち。
その一部に携わることができてとてもうれしいです。

これを機に、ヨーロッパの古い歌たちにも興味を持ってみようかな、と思います。


とても大切な勉強になりました。


Ma Solitude/Georges Moustaki

2012年12月21日金曜日

12/20

最近、よくハブ茶を飲んでいます。

お腹によく、目に良い。

僕はお腹があまり強くないので、体調も腹に力がないのが原因で悪くなることが多いのですが、毎日のように続けて飲んでいると、すっきりとして心なしか目覚めもいいような気がします。

思い切って、自分用のちょっといい水筒を買い、ライブなどに行くときも持ち歩くようにしました。

別名「ケツメイシ」。

某有名グループが使っていなかったら、自分のバンド名として使いたかったな。


さて明日は、浜松でシャンソンの伴奏をします。

先日楽譜と音源を送っていただいて練習してみると、なかなかにいい曲が多いです。
これは、自分でも歌ってみようかな、と思えるものもありました。

あたらしいレパートリーが増えることも期待して。

楽しく演奏してきたいと思います。


□12/21(金)
浜松市中区田町『JAZZ SPOT anarog』
「袴田裕子 X`mas ライブコンサート」
出演 袴田 裕子Vo. 杉山伸郎 Pf. 丸山研二郎 G.
開場 18:30 開演 19:00
ticket \5000(食事・フリードリンク付)

anarog 053-457-0905
http://www.wr-salt.com/analog/index.html

2012年12月20日木曜日

12/19

少し無理がたたって、熱を出したり、お腹をこわしたりしていましたが、大分良くなりました。

その間に、UHUにてイベントに出演し、大好きなユニット「凪」の石田さんと、オカリナ吹き長谷川さんと、ある忘年会パーティでの余興演奏の仕事をさせていただきました。


正直なかなか体がつらかったです。

しかし、それはそれで、余分な力が入っていないためか、ある意味迷いなく演奏できていた自分も発見しました。


今までは、大体パーティの演奏と言うと、がやがやと騒がしく、音楽を聴く環境ではなかったりするので、お客さん、演奏者、どちらのためにもならないような気がして、あまり好きではなかったのです。

でも、逆の立場から考えれば、せっかく集まった仲間同士、積もる話もあるでしょうし、お酒もすすむでしょう。せっかく演奏してくれている音楽は聴きたいけれど、それ以上に、または仕方なくこちらの付き合い、というのが心情のような気がします。

大事なのは、過度に清聴や盛り上がりを期待せず、こちらはこちらのペースできちんとした音楽性を心がけることなんだな、とだんだんわかるようになりました。

必ず全体を通じて、何かが届いているんだと思うようになったら、お客さんの拍手の感じも少しずつ変わってきました。

なので最近は、そういった全体の雰囲気もとても楽しめるようになりました。

 
そんなことも、日ごろライブハウスなどで行う演奏の糧になるのでは、と思います。

演奏に誘ってくださった、石田さんに感謝します。

2012年12月18日火曜日

ツアー「静岡、浜名湖、大阪」その2


12/10 上新庄「Free Bird」

壁中に楽器が飾ってあって、どことなくエスニックな感じのするショットバーでのライブ。

お客さんも個性的な人が多いのです。ライブ後に7~8人残った面子としゃべっていると全員がミュージシャンでありました。


この日は、大阪は西成区の安ビジネスホテルに宿泊。

一泊1500円とか1200円(!)等という安宿の立ち並ぶあやしい街の一角の、まあまあ大丈夫そうな宿でありました。

しかし宿泊客の会話はもっぱら英語や中国語で、僕たちは、車に楽器置くのやめようね、といいながら、用心深く一泊したのであります。


12/11 茨木市「Rainy Wood」

2年ほど前に一度行ってから、2度目の茨木市。僕は茨木の人たちがとても好きになりました。

市独自のイベントも多いらしく、みなさんの話していることを聞いていると街に対する愛情が伝わってきます。

僕自身もそういうお客さんの気迫に押されて、このツアーで一番いいライブができたような気がします。

何人かの人ともとても仲良くなりました。また新しい、自分がいられる場所になったらいいな、と思います。


12/12 静岡「伊太利亭」

ふうふう、やっと帰ってきました。何だか今回のツアーは短期間の割にずいぶん長かったような気がしました。

いつもの伊太利亭もつつがなく終了…。

あれだんだん尻つぼみになってるなあ。


これは体力の問題かな。

最後、気が抜けたのか、少ーしだけ力のないライブになってしまったかも、と反省しました。


でも全体として、新しい曲に挑戦し、それがなかなかに好評だったということ、勇気を持って演奏し通せば、今までよりも聴く人に自分の音が響いてくれるのだ、ということが実感でき、自信につながりました。

今年はこれで遠出はおしまい。

これを糧にまた来年もがんばります。

ライブに来て下さったお客さん、お店の関係者のみなさん、ありがとうございました。

2012年12月17日月曜日

ツアー「静岡、浜名湖、大阪」その1

年の瀬は本当にやる事がたくさん合って、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

5日間の、静岡→浜名湖→大阪ツアーもあっという間でした。

今回静岡の「伊太利亭」以外は、すべて初めての場所だったのもあってか、自信になった事、または反省しなくてはいけない事が、よりたくさんない交ぜになって心に残りました。


帰ってから風邪をひいてバタリと倒れたので、今頃のレポートであります。
旅行以外では、このブログ史上最長に間をあけてしまいました。申し訳なし。


12/8 静岡「LIVING ROOM」

時々飲みには行っていましたが、初めてライブをさせていただきました。今回は昼のライブだったので、マスターの奥さんと2人のお子さんもお手伝いで来てくれました。

子供の感性というのは、本当にやわらかです。

ヤマトさんがMCで、アフリカの太鼓「ジャンベ」には精霊が宿っている、と言ったのを聞き間違えて、「え~、せんべいが宿っているの?」と答えたのには一同笑いました。


未だに覚えていることに、僕が子供のころ、朝、起こしに来た母親に、むくりと起きて「ヤータカの頭とって!」と言ったそうです。母が何だかわからずに聞き返すと、もういい!と言ってまた寝てしまったとか。

ヤータカの頭。

僕が起きてくると、台所にある小さな黒板に、母親が面白がってメモしていたので、その言葉は今も覚えているのですが、その時、何の夢を見ていたのかはもう忘れてしまいました。

きっとお墓までもっていく言葉の一つだと思います。


その子にとっても、別にせんべいをお墓まで持っていかなくてもいいですが、僕たちのライブが、少しでも幼いころのいい思い出になってくれたらいいな、と思います。


12/9 浜名湖「WATTS」

浜名湖は三ケ日にある、個性的なライブハウスでした。

180°パノラマです。今回のツアーの中では一番、開放的な気持ちで演奏できたかもしれません。

特に僕が好きだなと思う、都会ではない場所の憩いの場は、いろいろな世代の人が集まっていて、それぞれの個性がまじりあって独特な場所になっていることが多いように思います。

そこでうれしい再会をしました。

以前、静岡のカンヌウィークというイベントで、僕たちのステージにキャンドルを飾ってくれたロウソク職人さんが、なんとヤマトさんのお客さんで来ていたのです。

その時は、一期一会だと思い、御礼だけ言ってお互いどこの人かも知らずに別れたのですが、まさかここで再会するとは。


またもヤマトさんの交友関係の広さに、してやられました。

人の縁というのは面白いものです。


WATTSはマスターも話し好きな面白い方で、ライブの後、飲みに連れて行ってくださいました。

僕たちは、ライブハウスの上の階にある控室に泊って、次の日浜名湖を後にして、吹雪の高速道路を一路大阪に向かいました。



つづく

2012年12月16日日曜日

12/16

大阪から帰って、しばらく体調が悪くブログを更新できずにいました。

どうも最近の無理がたたったようです。
よって大阪などのライブレポートはしばらくお待ちください。


今夜はライブです。一応がんばっていきます。

ふにゃふにゃかも知れませんが、ひやかしに来て下さい。


■12/16(日)
静岡七間町  『LIVEHOUSE UHU』
イベント「七間町夜の森」
出演 Jimmy、ザ・シンケン、丸山研二郎 他
前売¥2000 当日¥2300
open 18:00 start 19:00

2012年12月8日土曜日

12/8


ツアー1日目、といっても今日は静岡でのライブでありました。

初めてさせていただいた、バー「Living Room」での演奏でしたが、皆あたたかいお客さんで、いいステージになりました。僕は、ついに新しい曲をライブにかけ、まずまずの出来だったので、ちょっとだけ満足しました。

明日から、浜名湖、大阪と3日間行ってきます。

初日からヤマトさんのヤマト節?が炸裂していますので、これからのツアーが楽しみです。

帰ってきたらまたゆっくりとレポートを書かせていただきます。


静岡ではもう1本。

いつもの伊太利亭の定例ライブにヤマザキヤマトさんをお迎えします。予約なしで気軽に来ていただける場所です。

ぜひ遊びにいらしてください。



■12/12(水)
静岡紺屋町 『リアルフードレストラン伊太利亭』
「リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~VOL.18」
出演 ヤマザキヤマト、丸山研二郎
 19:30~ 2ステージ ¥2500(食事付)

http://www.italytei.jp/

12/7

最近どうも、愚痴っぽい文章が多かったので、今日は何か楽しいことを書こうと思っていたのですが、また東北で少し大きな地震がありました。

本当に、皆が落ち着いた気持ちで過ごせるように祈ることしかできません。

天変地異や、事件、事故のニュースばかりでどうも気持ちが落ち着かないものです。


古来から、政治が悪いと天災が起こる、といわれるそうです。

もちろんそれ自体は迷信だと思いますが、人間も自然の一部、人知を超えたところでいろいろなもの同士つながっていて、原因と結果を結んでいるとすれば、必ずしも世迷いごとともいえないでしょう。

僕は、世の中に関して責め立てるだけの知識は持っていませんが。


さて自分も明日より、ツアーに出ることになります。

こういうときは本当は、なるべく家の近くに居たい気もしますが、こんな小さなミュージシャンの自分にも、待っていて下さる方がいる、と思えばこそ。

新しい場所で、一生懸命やらせていただこうと思います。



■12/8(土)
静岡七間町 『Living Room』
出演 ヤマザキヤマト、丸山研二郎
open 14:30  start 15:00
¥2000(1ドリンク付き)

http://livingroom.ldblog.jp/

□12/9(日)
静岡・浜名湖『WATTS』
出演:ヤマザキヤマト、丸山研二郎
open 15:30  start 16:00
¥2500(1ドリンクつき)

WATTS/TEL:053-526-2261
静岡県浜松市北区三ケ日町大崎64-6

http://livewatts.sharepoint.com/Pages/otomodachi.aspx

□12/10(月)
大阪・上新庄 『Ethnic Cafe&Bar freebyrd』
出演:ヤマザキヤマト、丸山研二郎
open 20:00 start 20:30 ¥2000(1drink付)

大阪市東淀川区豊新3-14-6
阪急上新庄駅南出口徒歩5分
TEL:06-6326-2333

http://tabelog.com/osaka/A2703/A270307/27014249/

□12/11(火)
大阪・茨木 『RAINY WOOD』
出演:ヤマザキヤマト、丸山研二郎
20:00~ ¥2000(ドリンク別)

RAINY WOOD/TEL:090-3722-9160
大阪府茨木市星見町10-28

http://rainywood.citylife-new.com/

■12/12(水)
静岡紺屋町 『リアルフードレストラン伊太利亭』
「リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~VOL.18」
出演 ヤマザキヤマト、丸山研二郎
 19:30~ 2ステージ ¥2500(食事付)

http://www.italytei.jp/



何か明るい話題を…。

今日は、障がい者の施設のほうのイベントで、清水区内の11施設が集まって交流会をする、というイベントが行われました。個性的な皆で楽しく食事をして、出し物をやり、いい時間になりました。

その中で当事者の人たちの「書道」の展示がありました。

思わず笑ってしまったので、写真をUPします。


右側の、仏語→絹肌→官能→頭重、という流れがいいですね。ある結末、という感じです。

2012年12月7日金曜日

12/6

雨上がりの道路が朝日にきらきらと輝いている景色が好きです。

夕暮れを背中にした杉の木や街並みのまっ黒な強いコントラストが好きです。


昔、絵を習っていた時、黒をなるべく使わずに絵を描きなさいと教わりました。大事なのは「黒」を使わずに「黒」を表現することなのだそうです。


音楽における感情表現の中にも同じことが言えるでしょうか。


黒を表現するためには、強い光が必要なのです。

愛を表現するためには、深い悲しみが必要かもしれないし、あたたかさを表現するためには、鋭い冷徹さが必要かもしれません。


TVの歌謡番組を見ていると、今もてはやされている音楽は、良いも悪いもガチガチに表面化されて、まるでたくさんの感情を心に描くことを拒んでいるように聞こえます。

一つの結論にたどり着くまでに、本当はいろいろなアンダートーンを塗り重ねてこなくてはならないのに、誰かが苦労して描いたその結論だけをしゃべっているような、名画の印刷を見ているような、そんな気分になりました。

自分が今作ろうとしているものも、その域をなかなか脱することができません。


音楽って難しいなあ。

あれ、すごい月並みな言葉…。

2012年12月5日水曜日

12/5

福祉の方の仕事で、

書類に「ベッドから(車いすなどへ)の移乗」と書こうとしたら…、

「バッドからの移乗」と書いてしまいました。


2、3人は笑ったかな。

何だか深いような浅いような。


昨日は夜明けにものすごい雷がなって、夕方は晴れ、今日はすっきりとした空です。

音楽の方の新しい仕事で、シャンソンの伴奏というものが舞い込んできました。12/21に浜松のジャズクラブでの演奏です。

もちろん、その世界にも好きな曲や、すばらしい音源などはたくさんありますが、実際自分が演奏するとなると、なかなか一筋縄では行かない部分がありそうです。

まずは、いろいろと聴いてみるところから始めなくては・・・。

ちょっと楽しみにしている演奏会の一つです。


最近新しい曲が、3曲ほど形になりました。

まだなかなかライブには掛けられませんが、ひそかに制作と、アレンジを進行中であります。

今度のツアーで、少し演奏を試して見ようかと思っています。


少し今までの曲と違ってきた、と言ってくださった人もいます。
特に作る時に意識はしていませんが、自分ではそれがいいかなあと思っています。

2012年12月2日日曜日

12/2


昨日は本当に夕空がきれいで、移動中、宵の口から日が暮れるまで、ずっと見入ってしまいました。

12月はライブが多く、形態関係なく挙げると12本の演奏が待っています。

ちょっと体が大変ですが、とてもありがたく思います。


昨日は、磐田市にある家具のショールーム「折々」さんで、荒井さん、まゆちゃんとのトリオで、演奏させていただきました。

ウォルナットのダイニングテーブルや、椅子が並んでいる家具のショースペースは、とてもあたたかくて、居心地のいい場所です。

今回も音響なしの生演奏でした。生で、声の届く範囲の演奏は、僕たちの一番やりたいこと、というと語弊があるかもしれませんが、何かある一つの世界にたどり着けるような気がします。

前回に続けて来て下さった方もいて、とてもいい演奏会になりました。

次回は、夏ごろに予定しています。きっとまたすぐにやってくるでしょう。


今日は、いつも仲良くさせていただいている富士のミュージシャン「AKI」さんの企画で、藤枝市は岡部のレストラン「一祥庵」さんで演奏をさせていただきました。

長丁場でしたが、これも時間を感じさせない、いいイベントになったのではないかと思います。

新しい曲「空の灯」をピアノ伴奏つきで演奏することが出来ました。

個人的にはもう少し練習が必要かな。


しばらく日々の仕事をまたこなして、次は埼玉のヤマザキヤマトさんと、浜松、大阪、静岡ツアーが待っています。

ゆっくり、眠れる日はなかなか訪れません。うお~。

2012年11月30日金曜日

11/29


もういつの間にか、11月も終わりです。

近所のイチョウの木も、もうだんだんと枯れ葉になり始めているものと、まだ少し青さが残っているものとまだらです。


今日はローストビーフのお店「DON幸庵」にて「えんじろう&長谷川孝二 オカリナ2マンライブ」が行われ、僕はオカリナ吹き長谷川さんのバンドで参加しました。

えんじろうさんは目の不自由な方で、おそらくそういう感覚でしか捉えられない世界を、非常にきれいに表現する人です。

ピュア、とか純粋、というような言葉がまさに浮かんでくるような、そんな音楽の世界です。

対して長谷川さんは、もともとジャズのミュージシャンで、オカリナもストリートに立って吹いているので、より即興的というか、感傷的というか、えんじろうさんとはまた違った力強い魅力を持っています。

2つのまったくタイプの違うオカリナをみっちり堪能できる、いい時間になったのではないかと思います。


自分としても、今までとはちょっと違ったスキルを求められる機会になり、いい勉強になっています。

最近特に、もっと自分らしい音を出せるようになるために、足りない部分がよく見えるようになってきました。

月並みな言い方ですが、いろいろな新しい出会いの中で、気付かされるものが沢山あります。

例えば音楽について、アンサンブルやステージのやり方で、こういう音の出し方が苦手だったな、こういうことをもっと覚えるべきだな、などと思うことがあると、それは意外と、日常生活の中でも自分に欠けている部分だったりするのです。

2012年11月27日火曜日

11/27

オカリナ、一五一会、ギターのユニットで、初めて人前で演奏しました。

まだ感覚をつかみきれない所も多いですが、ある部分ではいいところまで行けたような気がします。

あさって29日、久しぶりにお会いするオカリナ奏者「えんじろう」さんと、我らが長谷川さんとの2マンライブの伴奏をさせていただきます。

まだ飛び込みでも大丈夫だと思いますので、よかったら遊びにいらしてください。


■11/29(木)
静岡浅間通り 『DON幸庵』
「えんじろう、長谷川孝二、オカリナ2マンライブ」
出演 えんじろう / 長谷川孝二、会津里花&丸山研二郎
open 19:00  start 19:30
¥1000(飲食別、要1ドリンクオーダー)

http://donkoan.com/

11/26

土砂降りの中、車を運転して実家から戻ってきました。

寺という家柄もあって年に3回大きな法要があり、それにはよほどのことがない限り必ず帰るようにしています。

まあそんな時は、実家であるにも関わらず、沢山の檀家さんのお参詣の場になるので、自分も忙しくあまりゆっくりできません。


ちょうどその行事の日に、檀家さんの中で、家族を含め自分もとても親しく大切だった人の訃報を聞きました。

長く患っておられたので、意外な知らせではなかったのですが、やはりさびしく思います。

お坊さんである自分の父が珍しく涙しました。

お坊さんたるもの、この人の時は悲しいけれど、この人の時はそうでもない、という印象を周りに与えることは良くないことでしょう。でも、特別に無意識にも人間らしくなってしまうほどに、いろいろな心があったのだと思います。


実家のお風呂はおんぼろお風呂なのですが、僕が子供のころに、タイルが汚いので母親と一緒にペンキを塗ったら、それが下地と合わずにまだらにはがれてしまった跡や、遊びで張ったテントウムシのシールが、そのまま残っています。

夜お風呂に入ってそれらを眺めていたら、そんな当時からのいろいろな記憶がよみがえってきました。


僕は、ごく普通の家庭で育った人に比べれば、本当に沢山の信仰心の厚い人に囲まれて成長してきました。そして人の生き死にについて考える機会がいっぱいに有ります。


もちろんそれは、良し悪しですが、そんな沢山の恩に報いることができるだけの人間に僕はなれているだろうか、と改めて自分の日ごろの行いを、とても恥ずかしく思いました。

2012年11月24日土曜日

11/22-24

ちょっと気持ちが忙しく、なかなかブログを更新できずにいました。

マキタさんのトコで演奏をし、静岡のイベント「ストリートフェスティバル」に出演しました。
来てくださった皆様、ありがとうございました。


と、これから法事で、実家に帰らなくてはなりません。

なかなかゆっくり記事を書いている時間が有りませんが、帰ってきたらいろいろ書きますので、しょうしょうお待ちあれ~。

2012年11月22日木曜日

11/21

最近ライブ情報の更新がちょっと滞りがちになってしまっています。

申し訳なし。


今朝、何かの動物が曳くソリに乗って、旅をする夢を見ました。

さらさらと透明な水の流れる川の浅瀬にたどり着くと、遠くに林に囲まれた巨大な風車が見えました。きっとどこかには本当にそんな景色があるだろうと思います。

なので朝、バイクで走っている時、並木のけやきが、枯れ葉をはらはらと散らしているのを見て、何だかふわりと浮いたような気持になりました。


明日は、いつものように「マキタさんとミッちゃんトコ」で演奏をします。

最近はオリジナルもみっちり演奏しています。お時間がありましたら、遊びに来てください。



■11/22(木)
静岡伝馬町 『マキタさんとミッちゃんトコ』
出演 丸山研二郎
20:00~、21:00~、22:00~ ¥1000

http://rock-cafe.biz/

2012年11月21日水曜日

11/20

モチの木に赤い実がつきました。

そろそろ本格的に冬がやってきそうです。


また新しい曲がひとつ形になりましたが、身内に聴かせたところ、詞をもう少し考えたほうがいいという事になって、練り直しています。

言葉がわかりやす過ぎる、ということです。

中国の何とかという詩人は、近所のおばあさんに詩を聴かせて、わからないと改めたといいますが、僕もわかりにくいと言われることは多々あっても、わかりやすいので変えたほうがいい、と言われる事は滅多にありません。

かえって、簡単に意味がわかってしまうと、短絡的に聞こえることもあるのでしょう。

音楽の中でも、形にとらわれないで、いろいろ実験してみたほうがおもしろいかも知れませんね。


今日は知り合いの誘いで、とあるお店のジャズセッションに顔を出してきました。

初めてのお店なので、僕はギターを持っていきませんでしたが、上手な人から、さほどでない人まで切磋琢磨している感じで、とてもいい刺激になりました。

僕は、ビ・バップやモダンジャズのプレイヤーになりたいわけではまったくないけれど、いろいろな音楽の感覚を具体的に身に付けたいなあと思っています。


少しずつ自分の言葉や、作る音の中に生きてくると思うからです。

2012年11月19日月曜日

11/17-19


今回も東京は「稲生座」と「茶々」に演奏をしてきました。

稲生座に招いてくださったユニット「HALUKA」さん、茶々のみなさん、ありがとうございました。

HALUKAさんのライブも、茶々で共演させていただいた、俳優「中山一朗」さんの朗読も素晴らしかったです。

終わってから、中山さんや茶々のマスターといろいろな話をしました。いつも必ず話題になるのが、人の縁というのは不思議だなあということ。

いい関係を築くということは、必ずしも、触れ合った時間に比例するものではありません。

遠くに住んでいるのに、行ってちょっと話をしただけで、一瞬にして大切な場所になってしまうこともあります。自分にとってのそんな場所が、ひょっとしたら、もっともっとたくさん有るのかもしれないと思います。


東京から帰ってきて、今日はピアノのまゆちゃんがよく演奏に行っているという福祉施設で、ライブをやらせていただきました。

素敵なおじいさん、おばあさんが僕たちの演奏を楽しんでくださいました。

今日の演目は…、

北街道の唄
青い山脈
私の青空
川の流れのように(荒井さんソロ)
ありがとう(まゆちゃんソロ、オリジナル)
夜霧よ今夜もありがとう(丸山ソロ)
知床旅情
ふるさと
サンフランシスコのチャイナタウン

みなさんの反応を見ると、とてもいい仕事ができたのではないかと思います。

今日の日記は報告だけになってしまいました。さすがにちょっと疲れがたまっています。ゆっくり休みたいけどそうもいきません。

がんばるぞ~。

2012年11月15日木曜日

東京でのライブのお知らせ

昨日あたりから急に寒くなりました。

つい数日前、海で泳いできたとは思えません。

明後日から2日間、東京のいつものお店でライブがあります。
東京方面の方どちらもお気軽においでください。

よろしくお願いします。



□11/17(土)
東京高円寺 『稲生座』
出演 丸山研二郎&荒井豊、HALUKA
Open:19:30/Live time:20:00~22:00/Bar time:22:00~2:00
Live chage:\1500

東京都杉並区 高円寺北2-38-16 サニーマンション2F
03-3336-4480

http://www2.odn.ne.jp/raychel/menu.html


□11/18(日)
東京狛江市 『茶々』
「やわらかな時間」
出演 中山一朗、丸山研二郎&荒井豊

1部 朗読~特攻隊員の手紙~
2部 DUO LIVE 
open 17:00  start 18:00 ¥2000(飲食別)

http://cafe-sasa.com/



明日はUHUでのイベント「ジルクラブ」。

なんと60回を記念しての企画です。僕もジルバンドで参加します。

よかったら遊びに来てください。

2012年11月14日水曜日

11/9~11/12 その2


3、ダイビングをする

生まれて初めて、スキューバダイビングをしました。インストラクターの方が丁寧に教えてくれたのでばっちり潜れました。

残波岬というところの近くに「青の洞窟」というものがあって、本物は言わずと知れたイタリアに有るのですが、両方とも行ったことのある人は断然沖縄のほうがきれいと言うそうです。

海に魅せられる人は沢山います。

あてのない空を漂っているような、この世ではないどこかにいるような、不思議な感覚にとらわれ、夢のような体験をしました。


僕たちの知らないところで、沢山の魚や貝や、珊瑚が暮らしていました。またそこにはそこのルールがあって、その世界に彼らの生活があるのです。

どんなに透き通っていても、少しだけ見えた深みの底はずっと青くなって何も見えません。そこはもう僕たちの体では行けない世界なのです。

僕は何かに中てられて酔ってしまい、上がってしばらくは気分が悪かったです。

インストラクターさんによると、最終コースは「ジンベエザメと一緒に泳ぐ」ということです。そこまで挑戦してみたいものです。


4、ライブ

やっとライブ…。遊んでばかりでごめんなさい。希望ヶ丘公園というところの特設ステージが僕の出演場所。ゆったりとしたマルシェが出て、お客さんものんびり座って聴いてくれました。

新しい曲を演奏すると、聴いてくれていた女性が涙を流しているのが目に入って、僕もうっかり貰い泣きしそうになってしまいました。これも島のいい雰囲気の力でしょう。何だか申し訳ない気がします。

のんべえのおじさんが「スカボロ・フェアー」をやってくれというので、リクエストに応えて一曲やりました。おじさんはオリジナルも大変気に入ってくれて、終わった後しばらく一緒に泡盛を飲みながら話をしました。

おじさんは船乗りさんで生まれてこのかた、島を出たことがないそうです。


一部のスタッフや、出演者の方ともとても仲良くなって、また必ず沖縄に演奏にくることを約束しました。


僕たちの知っている情報はほんの一部、沖縄はまだまだ沢山の問題を抱えているといいます。

でも触れ合った人は、島の人、移住してきた人に関わらず、明るくてとても話しやすい人が多かったような気がします。そして皆、目がきらきらと輝いていました。

僕も、自然とにこにこしながら皆と話すことができましたが、目の前にいる人が持っている大切なものが僕には足りないような気がして、少し恥ずかしくなりました。

僕はどうして、何かから自由になれないのかな。


正直まだ、向こうに居たいです。

きっとまた行ってしまうでしょう。大切な場所がひとつ増えました。

島の自然や風土がいつまでも守られることを願います。

11/9~11/12


4日間の、沖縄ツアーはライブ自体は1本だったのですが、他の日は何をしていたのかというと、ずっと遊んでいました。ごめんなさい。

まずは、素敵な機会を与えてくださった、イベント「アサイラム」の皆さん、聴いてくださったお客さんに感謝します。


1、国際通り周辺

前日までの仕事の疲れや、イライラが抜けず固い気持ちで空港に降り立ちましたが、モノレールを降りて通りを歩いていると、自然と体の余分な力が抜けていく感じがしました。

なぜかは分からないけど、それがまず一つ沖縄の魅力かもしれません。


繁華街には、迷路のような商店街があって、沢山の土産物屋や飲み屋が並んでいて、奥に行けばいくほど、観光ではなく地元向けのお店が多くなります。

僕は断然奥のほうが好き。ここで「沈没」してもいい、と思いました。

安宿には実際沈没している人が沢山います。


2、農連市場に行く

先述の、僕が大学生の時に行ったおかゆ屋さんですが、話を聞くとそれは商店街の一番奥の奥、農連市場という所にあったのだと分かりました。

そこは、地元の商店の人たちが仕入れに来る市場で、夜中過ぎから始まり、朝方には終わってしまうという一番ディープなスポットです。夏に行ったモンゴルのザハ(市場)を思い出しました。

むしろこちらのほうが上(何が?)ではないかとすら思います。


朝早く起きて行ってみると、せっせと野菜を仕分けて働いているおばちゃんたちにまじって、飲み明かしたラスタマンたちがラジオ体操をしていました。

突然、彼ら(ラスタマン)の一人が僕に話しかけてきて、昨日国際通りを歩いてましたよね?と言いました。まったくすれ違った記憶がなかったので、意外に思いましたが、少し仲良くなって、以後彼らとは、いろいろなところでばったり会って、こんちは~という仲になりました。


おかゆ屋さんは、お店のおばちゃんに聞いてみると、つい最近体を悪くしてやめてしまったとのこと、とても残念でした。

しかしいくつかある別の食堂も、心底あたたかくて、料理のおいしい、素晴らしいお店でした。

おばちゃんたちはホームレスにもご飯を出して、着替えも用意してあげるという話です。那覇にいったら必ず訪ねることをお勧めします。


なんだかまた長くなりそうなので、続きはまた明日…。なかなかライブまでたどり着きません。

2012年11月8日木曜日

ライブのお知らせ

明日から沖縄です。

□11/11(日)
沖縄県那覇市 「ASYLUM(アサイラム)」
ASYLUM OPEN 桜坂"ひとり"劇場編
http://www.sakura-zaka.com/asylum/2013/index.html

沖縄方面のご友人などのいらっしゃる方、ぜひ宣伝していただけたら幸いです。


帰ってきたら、すぐに、伊太利亭のライブが有ります。

今回は、最近めきめきといいステージングをしている、シンガーで友人の「ナカムラタツキ」さんをゲストにお迎えします。

お時間があれば遊びに来てください。


■11/14(水)
静岡紺屋町 『リアルフードレストラン伊太利亭』
出演 ナカムラタツキ、丸山研二郎
19:30~ 2ステージ ¥2500(食事付)
http://www.italytei.jp/



ずっと新しい曲の詞が書けずに悩んでいました、というよりも、そのままいつか出るだろうと思ってほっぽっておいたのです。

今日、昼間の仕事で非常に理不尽で嫌な出来事があり、頭にカーッと血が上ったというか、さーっと興醒めしたというか、とにかくそういういつもと違った感情になった拍子に、ばっと出ました。

日常の仕事よりも音楽を優先することは決してえらいとは思いませんが、最近どうもその忙しさを理由に、自分にとって何よりも大切な活動のことを少しいい加減に考えていたと、はっと思いました。


がんばって新しい曲を練習して、ライブにかけようと思います。

2012年11月7日水曜日

11/7

突然ですが、沖縄に行ってきます。

前にちょこっとだけ書きましたが、「アサイラム」というイベントに出演することになってしまいましたので、11/9~11/12まで那覇市に宿をとっての、小旅行です。

10年ぶりの沖縄。

というとずいぶん年寄りみたいですが、大学の時に行ったきりです。


そういえばその時は向こうで、その前の年、北海道に行った時、知り合いになって連絡先も聞かずに別れた人に道端で偶然ばったり会って、飲み明かした朝、市場の食堂で皆でおかゆを食べたのでした。

そのお粥とゴーヤの漬物が本当においしくて、いい思い出になっています。

そういえばそこで名刺をもらったことを思い出して、昔の名刺入れをあさると、そのお店のおばちゃんの名刺がなんと出て来たではありませんか。

行ってみようと思います。


昔の旅行というと、すでに断片的にしか覚えていなかったりして、何かの風景や状況は浮かんでも、どういう経緯でそこに行ったのか忘れてしまっていたり、あった出来事も思い出せなかったりします。

大学の時、沖縄→奄美大島→加計呂麻島という旅行をしました。

でも一番、記憶のはざまに沈んで、何か大切なことを得た気がするのに、沢山のことを忘れてしまった旅行でした。


嘉手苅林昌・登川誠仁  Okinawan Naakunii


嘉手苅林昌の声が大好きであります。

僕は、そのころ巷でずいぶん流行っていた、沖縄の唄があまり好きではなかったのです。でもこの人の声を聴くと、ぐっと心の深いところに響いて、時には涙が出てきます。

2012年11月6日火曜日

11/5

もし音楽をやっていなかったら、どうだった?と人に聞かれたりします。

自分の場合は、もし音楽がなかったら、相当ひどい事になっていたかもしれないと思う時もありますが、意外とかえって違ったいい楽しみを見つけて、それはそれで良くなっていたかもと思うときもあります。

そうだったら何をしていたかな。

多分「釣り」をしていましたね。

昔、アマゴ釣りに行った時、遠くでトンビがぴーっと鳴いた声が忘れられないのです。


開高健を読んで、あー将来はアラスカに行くぞ、と思っていました。


今日は(正確には明日)、いつも演奏させていただいている「マキタさんとミッちゃんトコ」が8周年を迎えたので、お祝いに行ってきました。同時にマキタさんご夫妻の結婚記念日だというので、プレゼントを持って行きました。

そこには素敵な先輩や、仲間がいて、いい関係が滲んでいる。


僕はアラスカには行かないだろうけれど、またかけがえのないものを手にしているのだと思いました。

釣りをしていた場合、釣りをしていなかったら多分音楽をやっていたかも、と書いたでしょう。知り合いの山荘が8周年を迎えたので…。



中川イサト その気になれば
http://www.youtube.com/watch?v=OG-W4k5N7jo

2012年11月4日日曜日

11/4


自由に自分の思ったままに曲を作ろうとしています。

そうすると、どれだけ自分に自分の思っている音を表現するだけの技術がないか、痛感します。

でも、少しだけ自分が感じたかったことを、自分で感じたい、とわがままに思ってもいいような気がします。

あさまだき うるむ そらのひを
こどものこころに たまじゃりのすな

作り始めると、はてしない霧が立ち込めるのだけれども、大したものを作っているわけではありません。あくまで自分の中で、起こっていることです。

静かに受け入れなくてはなりません。


Sidsel Endresen & Bugge Wesseltoft - Try
http://www.youtube.com/watch?v=lr_dG0jU6ns&feature=related

2012年11月3日土曜日

11/3

最近、昼間の仕事中、訪問先を回る時は一人なので、車にCDを持ちこんで聴きながら走っています。

最近よく考えるのは、音楽の中の「あたたかさ」とは何だろう、ということ。

電子音=冷たい、生楽器=あたたかい、と思っている人が意外と多いのですが、生楽器でも硬質で冷やかな演奏をする人は沢山います。

音質だけでいえば、ピアノのアタックより、ある種のシンセサイザーの音のほうがソフトに響いたりすることもあります。

例えば、無機質だと思われがちな、コンピューターのプログラミングであっても、機械音であっても、そこに何らかの人間の意図の形が反映されている限り、その人またはその人たちの、考え、価値観、等がなぜか自然に写りこんでしまう。

そんな風な「写りこんでいるもの」に思いを馳せている今日この頃です。


よく自分で楽器を演奏しない人が、僕たちが1本のギターを回して弾いていたりすると、面白そうに、同じ楽器でも弾く人によってまったく音が違うんだね、と話してくれることがあります。

僕たちは、敢えて隣の人と違う音を出そうとしているわけではありません。


大事なのはその意図の方向で、その場にいる人のために、面白くて意味のある話をしようとした時、その人の持つ思いやりや、優しさが、その声や話の組み立て方に、予期せぬあたたかさを付け加えたりするのです。

ただあたたかい話をしよう、という意図ではどうも自分勝手なものになってしまうし、必ずしもその人が自然に出している雰囲気にそぐわない、矛盾したメッセージが伝わってしまう場合もあります。


もちろん話のたとえで、思いやりや、優しさだけが、「いい」音楽を作るのではありません。

今日の話の結論?

自分の好きなようにやればいいってことかなあ…。なんかそれも違うような気がするなあ。


今日の一曲。

INFANT EYES - WAYNE SHORTER

2012年11月1日木曜日

11/1


もう香らなくなったと思っていたら、通り中に金木犀の香りが満ちていました。山や海のある方の空の向こうからだんだんと冬がやってきます。


少しずつ新しいものができてきました。

何とかバンドスコアを作って、ライブで演奏したいと思っていますが、なかなか難しそうです。

なるべく無駄なぜい肉はそぎ落としたい、しかしいろいろなものを盛り込みたくなってしまう。自然な形になるのにやはり時間がかかるのです。


だんだんと風が強くなってきました。

さて今日はこれから練習です。コーヒー買っていこう。

2012年10月31日水曜日

10/30


先日、モンゴル旅行に行ってから、向こうの人が妙に甘いジュースや、炭酸ばっかり飲むので自分も影響されてしまって最近そんなものばかり飲んでいましたが、さすがにあったかい飲み物の欲しい季節です。

ホットワインが何だかいいですね。

悪酔いしないし、じんわりと体の中があったまる気がします。


不詳、私も、30歳になりました。

何人かの方から、お祝いのメールをいただきましたが、本当に心が温まる思いです。

この場を借りて御礼を申し上げます。


よく大台などと言いますが、前に、10進法で数えるから繰り上がって台ができるので、時計は12進法なんだし、新しい数え方を作ればいいんじゃないの?と笑い話をしたことがあります。

いち、に、さん・・・はち、きゅう、にゅう、ぽにょ、ぽれ、とか。

僕、にじゅうぽにょ歳です。永遠に30にならない。

もともとそんなに気にしていませんが、自分なりに節目を作ることは大切ですね。


音楽のほうは、新しい経験をもとに、今まで挑戦できなかったことにいろいろと手を出していきたいと思ったりもしています。

これからもがんばります。

2012年10月28日日曜日

10/28

降って湧いた連休も今日で終わり、また明日からがんばります。

夜のちょっとした仕事の帰り、あ、今日は昼間買った豚バラ肉を料理して食べるのだ、と思ったら妙に気持ちが明るくなりました。

食べ物のことを考えて、すんなり食べたい物が浮かんだ時の幸せ。

食卓や、外食ならそこに向かうまでの道のりが、何だか希望に満ちているような気がします。

決して値段の高いものは要りません。


しばらく仕事とライブに追われていて、ゆっくり自分のことを考える暇がありませんでした。

もちろん自分はライブが好きですが、いろいろと曲や言葉を考えたり、心から演奏したいと思える曲を練習している時間のほうが好きです。

きらびやかなステージではなくて、日常生活の中にこそクリエイティブな瞬間は有るべきだと思います。僕が言えることではないですね。


しとしと雨は不思議と心がなごみます。うちの福祉施設の障害を持ったメンバーが、同じようなことを言っていました。

いつか同じ安らぎを心にとらえることができるでしょうか。


Bugge Wesseltoft - Dreaming
http://www.youtube.com/watch?v=PMuKm1HKe-w

10/27



季節外れの朝顔が咲いていました。深い秋のミストーンですね。


新しい曲がだんだんと形になってきました。

実は今回は、バンドメンバーを集めるところから始めたいと思っています。知り合いなどに声をかけたりはしますが。

自分の心の中にある面白い音を実現させたいと、慾をかいてしまいます。


あ…、あの、とりあえず、女性ボーカルが2人必要なのです。ちょっと変わった音楽に興味のある方、一緒にやりませんか~。

急募 経験者求資格不要社保無賞与有(雀涙)女性が活躍する職場です(?)

いやいや男性でも可です。

現在がんばってデモ音源を制作中なので、興味のある方はぜひ声をおかけください。

2012年10月27日土曜日

10/26

今日明日と、神奈川県の葉山に演奏に行くことになっていましたが、ちょっとした都合により無しになってしまいました。

なので急に連休ができてしまったのです。

やっと、頭の中にぐるぐる回っていた音を形にすることができる、かもしれません。


最近、新しい福祉の仕事を始めたと前に書きました。それは、お年寄りの家に貸しているベッドや車いすなどの福祉用具の点検に行って、最近どうですか~?とやるような仕事なのです。

そんな中で、素敵なおじいちゃん、おばあちゃんに出会ったりするとうれしくなりますが、そういえば自分はおじいちゃんというものをほとんど知らなかったということに気がつきました。

母方は僕が生まれてすぐ、父方も僕が小学校低学年のころに亡くなってしまったので、まったくおじいちゃんと話をしたり触れ合ったりした記憶がないのです。

その分、おばあちゃん子でした。

そういうことって、自分の性格や物の考え方について、意外と影響を及ぼしているかも知れない、と思ったりするのです。

なので、仕事中もおばあちゃんとは気構えせずに話せるのですが、おじいちゃんとはどうも感覚がつかめずにいます。

こちらの勝手な感覚の問題ですけど。


仕事中、車でラジオを聴いていたら、ラヴェルがマラルメの詩に曲をつけたという音源がかかっていました。とてもきれいに聞こえたので、探してみました。

Maurice Ravel - Trois Poèmes de Stéphane Mallarmé

2012年10月25日木曜日

10/24

ブラジルには、「ムジカ・インファンチル」というジャンルの音楽があるということを知りました。

直訳すると「無垢なる音楽」とでもいいましょうか。

簡単にいえば、子供向けの音楽なのですが、それは大人の勝手な先入観で作った子供じみた音楽ではなくて、大人も子供も一緒に聴いて楽しめるものなのだそうです。


最近の子供向けの音楽はどうも(?)マークがついてしまうようなものが多いような気がします。

考えると、自分の場合、父親が聴いていた交響曲とか、抒情歌とか、変に、子供のためにと意図されていなかったもののほうが、明らかに自分の心の素養になったと意識できることがあります。

ただ覚えやすいだけの駄文を学ぶよりも、意味は分からなくても美しい日本語で書かれたものに触れるほうが、ずっと役に立つ、と何とかという文豪は書いていましたが、音楽にも同じことがいえるかもしれません。


大人になると、知識的な理解度は増して、より深いものを求めるようになりますが、根本的な「感じる力」と、その「感じた内容」は子供も大人も変わらないと思うのです。


YOUTUBEで「MÚSICA INFANTIL」と検索しても大したものは出てきませんでした。

もちろんそれは同じように「JAZZ」とか「ROCK」と検索してみればわかることです。


僕はエグベルト・ジスモンチのアルバムにそういうコンセプトのものがあって、素晴らしいと思ったのですが、それはどうも出てきませんでした。またジスモンチか、と思わないでください。

Egberto Gismonti -  Hino do Carmo
http://www.youtube.com/watch?v=IMxKFYkfXSk&feature=related

2012年10月24日水曜日

10/23

このところ仕事でバタバタしていて、肝心な音楽のことをしている暇がなかなかありません。

まあ、これは自業自得なのです。


疲れた時に聴く曲、というと何だろうな、とふと考えました。

こういう場合に聴いてもらいたい、という風に考えて曲を作るのはあまり好きではありませんが、聴く立場になると、やはり必然的に用途を選んでしまうものです。

疲れにもいろいろありますね。仕事の疲れ、恋の疲れ、人間関係の疲れ。静かに慰めてほしい時、力強く鼓舞してほしい時、気分転換したい時。


Bugge Wesseltoft - Yellow is the colour
http://www.youtube.com/watch?v=LydYEu1frR8

Enrico Rava y Dino Saluzzi, Le But Du Souffle
http://www.youtube.com/watch?v=wU1LTAi2S2c

月のあかり・下田逸郎
http://www.youtube.com/watch?v=IL6I7V9Tonc

早起き名人会 10回 三遊亭金馬 「佃島」 ゲスト・圓楽師匠
http://www.youtube.com/watch?v=OqC47VHN9fY


音楽じゃないのもまじってますが。

最後は「無音」が一番です。

2012年10月22日月曜日

10/20、21


そろそろ金木犀の香りもしなくなり、どんどん深い秋になっていきます。

ライブハウス「騒弦」にて、会津里花さん企画のライブに出演させていただきました。次の日には、浜松市は、浜北駅となりの「おとぎ草子」さんにて、The Fawnでの演奏でした。

いつもとは少し違った客層の中で、久しぶりに新鮮な感じがした2つのライブです。

騒弦では、熊本からきたシンガー「川瀬桂」さんと、リカさんの「The Rose」などを演奏しました。少しだけ深い演奏ができたような気がします。


僕は、小ぢんまりとした街が好きです。

浜北駅の隣にある「なゆた浜北」というビルの中におとぎ草子さんはあります。それは、生涯学習センターや図書館を併設した小さなショッピングモールで、夕方などは近所の人の憩いの場になっているようです。

外のベンチに座ってぼーっとしていると妙に落ち着きました。

また、違う街に素敵な人たちが集まっています。The Fawnを気にいって下さり、ライブに誘ってくださった「ルゥ&よっぴー」さんに感謝します。

ただ、今回のFawnの演奏は少し反省点が多かった。

細かい部分のツメの甘さが目立ってしまいました。少し細かいアレンジへの気配りの必要性を感じます。

2012年10月20日土曜日

10/19

またUHUに「近藤智洋」さんがやってきて、前座をやらせていただきました。

音楽の仲間、と僕が言うには恐れ多いが、あちらはきっと僕のことをそう思ってくれているだろう、と思います。

素敵な交流をさせていただいているミュージシャンです。

今回の近藤さんは、アーム付きの「テレキャスター(エレキギター)」を持って、トレモロなどのエフェクターをかけて弾き語りをしていました。

全体が幻想的な雰囲気になってとてもよかったのです。


今度は僕も東京のほうに出向いて行きたいものです。


最近、ぽそぽそと新しい歌の言葉を書いています。そうすると、どうもブログの話が思いつきません。

言葉をイメージするということはどこか頭でつながっているんだなと思いました。

2012年10月19日金曜日

10/18

夕方、仕事から帰ってきてライブに行く前、あんまり疲れたので30分ほど寝ました。

しばらくうとうとしてふと起きると、もう暗くなっていて、まるで自分がどこかさびしい外宇宙に放り出されて、彷徨っているような気がして、言い知れぬ孤独感を感じました。

よく、昼寝をしたりすると、自分がどこの時間軸にいるのか分からなくなって、休みなのに仕事に行かなきゃ、と思ってとび起きようとしてしまったりすることがありますが、僕は、とにかく生まれてこの方、すっきりときれいに目覚めたことがありません。

寝て起きた瞬間の、はてしない空洞な感じは、何とも表現しきれません。


きっと生まれるのも死ぬのもへたくそなのですね。

妙にまじめなことを書いてしまった。


明日も早い…。がんばって寝よう。Zzz


今日は、風太さんの企画のライブにちょこっと出演しました。

自分も少しいい演奏ができ、対バンのみなさんも素晴らしい演奏でした。

昼間の仕事も充実していて、いい日だったのです。

2012年10月17日水曜日

10/16

久しぶりに夜、時間があったので、お風呂に行きました。

ゆっくりサウナに入ってリフレッシュできました。


秋の風はふっと心に何かをしのびよせます。


今日の一曲。

Bugge Wesseltoft & Dhafer Youssef
http://www.youtube.com/watch?v=cKoJuiAQ83Q&feature=related

2012年10月16日火曜日

10/15

仕事を終えて、夜、近所の某公園のベンチで、オカリナ吹き長谷川さんと練習をしました。

いろんなところを蚊に刺されましたが、とてもいい練習でした。


合間に、もともとギタリストでもあり、サックスでもビ・バップ、モード・ジャズなどを吹いていたという長谷川さんは、いろいろとジャズの理論、方法論を教えてくれました。

というよりも、どうやって感覚的な発想から、「自分なりの」理論を導き出すかということ、といったほうが正確かもしれません。

難しい技術の必要な音楽の世界では、多くの人が、大切な感性よりも先に理屈にとらわれて、パズルのように音の組み立て方の様式を提示するだけになってしまいます。

僕たち弾き語りの世界では、逆に発散するばかりで、練習や勉強をしない人が多いような気がします。

僕はどちらもへたくそですが、自分に足りないものが今までよりもよく見えました。

結局のところ自由に発想すればいいんだ、ということなのですが、それが無知な自由ではいけないのです。

何だか具体性を欠く話です。つまりそれが自分の欠点ですね。


秋の薄くて高い雲が、暗くなっても夜空にぼんやりと張り付いて、ところどころ星々をすかしていました。その下をたくさんの鳥の群れが渡って行きました。

一年のうちで、いちばん空がきれいな季節です。ところがよく考えると一年中、今がいちばんきれいだと思っているのです。

まあ、良いも悪いもそんなことかもしれません。

2012年10月14日日曜日

10/12、13

今回の、UHUでのイベント「七間町夜の森」は、今までの中でも特に良かったような気がします。

少しだけ、また演奏の中で新しい気持ちになれました。


今さらやっと、という感じもしますが、知らないお客さんにも堂々と、自分はこういうことをやっています、と素直に表現できるようになってきました。

もちろんその内容がいいかどうかは別の話ですが。

ただ、今までよりは素直に、まっすぐに練習ができるようになったのです。



翌日、僕の勤めている福祉施設で、新しいNPO法人を立ち上げるためにずっと準備をしてきた、設立総会が行われました。

僕の役目は、申請書類を作ることと、総会の司会をすることと、会議議案の説明と、後でみんなで交流会をするときの、余興演奏をすることでした。

なんと、いつものライブより出ずっぱりなのでした。

しかし、これも役得というか、あまり普段体験することのない仕事を1から覚えることができていい経験になりました。


その帰り、車で、CDをかけて聴いていると、ああ音楽が聴けるっていいな、となぜか真剣に思いました。

今週は急がしかった…。また来週も忙しいのです…。少しだけ休ませてくれないかな。だめですよね。


最近よく聞いている音をいくつか。

Egberto Gismonti - A Fala Da Paixao

Hermeto Pascoal  - Renan

John Dowland - Pavan Lachrimae Antiquae

2012年10月13日土曜日

10/9、11


今年も、寸又峡演奏会が終了しました。

もうこのホテル「翠紅苑」さんとお付き合いを初めて、8年目になります。

こういった余興演奏で、こんなに長く続けることができる場所は他にはめったにないと思います。ありがたいことです。


静岡から車で山道を2時間も走ると、どんどん秋が深くなって、その雰囲気だけが濃縮されていく感じがして、ある種つながりのない別の時空に来たような気がする時もあります。

いろいろな場合はありますが、そんなところでゆっくりしようという方がお客さんでいらっしゃるので、僕たち演者も、お客さんも、一つのきちんとした目的を持って、その空間を一緒に作り上げることができる、いい音楽ライブに大体いつもなるのです。


今回は、

1、津軽あいや節
2、津軽よされ節
3、Over the Rainbow
4、主よ、人の望みの喜びよ
5、尺八独奏
6、見上げてごらん夜の星を
7、私の青空
8、津軽じょんから節

アンコール、島唄

という演目でした。


お客さんも、こんな山奥でこのようないいコンサートが聴けるとは思わなかった、などと言ってくださいました。もちろん、僕たちとしては反省点は多々あります。来年はもっといいライブができるように、1年間精進します。



ライブをして、お膳をいただき、温泉に入る。

お風呂で、八大師匠と喧々諤々、民謡の話をし、23:30ごろ帰路に尽きます。今回は山道で、鹿2頭と、タヌキ4匹を見ました。タヌキがかわいかった。

峠の休憩所で一服すると、師匠がおもむろに、積んできた天体望遠鏡を設置しだして、星の観察をはじめました。

東の空に、木星が輝いていて、それを望遠鏡でとらえると、4つの衛星がきれいに見えました。深夜の演奏の疲れに、素敵な贈り物でした。

師匠は、なんとかそれを携帯のカメラにおさめようと悪戦苦闘していましたが、結局うまくいかなかったようです。

自分の目で観るのが一番いいですね。

2012年10月11日木曜日

10/10

今回の伊太利亭は若い女性のお客さんが多かったです。

何となくかしこまってしまいますね。「んんっ(咳払い)、それでは演奏してもよろしいでしょうか。」なんて。

でも、みなさんゆっくり聴いてくださっていい時間になったと思います。

ゲストは、渡辺真由子さん。僕たちのいつものトリオのピアニストです。まゆちゃんの音が優しい空間を作りました。


マスターのコラムは、「はさがけ(はざかけ)」というものについての考察でした。

はさがけとは、稲刈りの時、最近はコンバインであっという間に稲とモミとに分けてしまうので、だんだんと見なくなった、田んぼに木のやぐらを組んで稲を干す作業のことで、大変情緒ある秋の風景の一つです。

地方によって形が違うようで、うちの実家のほうは結構高いやぐらでした。子供のころ農家の人のいない間に乗って遊んだことがあります。

最近の人は、自分で物事を作らなくなって、自分では何にも出来ないのに、「検索」などによって簡単に得た知識で何でも出来るような気になっている、というマスターのそんな意見です。

考えてみれば、食べ物を専門家が大量にこしらえて売ってくれるようになりましたが、だからと言ってそれを享受している人がその分楽になったかというと、むしろ、その逆のような気もします。


もちろんこれは音楽にも言えることで、利便性だけに偏った機械でこじつけられたり、情緒のないその場限りの価値観で編まれた音楽によって、人が本当に健康になるかというと、どこかそうではないように思うのです。

不勉強な僕たちが少ない知識で勝手に作り上げた道徳を、それがまったく正しいとでも言うように、音楽に乗せて垂れ流すことによって、たくさんの人を逆に迷わせているのではないだろうか、という風にも考えたりします。

毎回、いろいろなことを教えられる、伊太利亭の演奏会であります。


体育の日が10月10日ではなくなって久しいです。

最近、祭日を土日とくっつけて3連休にしたりすることがありますが、僕はあんまり好きではないなあと思っています。

何となく「目先」だけな感じがしませんか。

2012年10月9日火曜日

10/9

また秋の風物詩、とこちらで勝手にそう思っている、寸又峡温泉ホテル「翠紅苑」での演奏会が始まります。

今回も三味線の「福居八大」師匠とともに行ってきます。


寸又峡は静岡の僕の家(駿河区)から、車で2時間弱ぐらい、山道を運転してたどり着く、幽谷です。

そういえば高校生の時、兄と、いい温泉があると聞いたからちょっと行ってみよう、と言って2人で温泉に入りに行った記憶があります。

まさか、そこで演奏をすることになるとは思ってもいませんでした。


今日と、11日の2日間、よる20時半より、40分ほどのロビーコンサートです。観覧無料。そのかわり日帰り温泉、宿泊などサービスご利用のこと。

なかなか遠いですが。情報だけ。



その間に挟まって、ライブが2本あります。


■10/10(水)
静岡紺屋町 『リアルフードレストラン 伊太利亭』
「リアルフードプロジェクト~音楽を感じよう~VOL.16」

出演 渡辺真由子、丸山研二郎 
19:30~21:00 ¥2500(食事付)

http://www.italytei.jp/


■10/12(金)
静岡七間町 『LIVEHOUSE UHU』
イベント「七間町夜の森・マルケンナイト」

出演 ザ・シンケン、aki、ナカムラタツキ、石田チビオヤジ、丸山研二郎
open18:00  start 19:00 前売¥2000 当日¥2300

http://livehouse-uhu.com/


こちらのほうももちろん力入っています。
ぜひぜひ遊びに来てください。

2012年10月8日月曜日

10/8


きれいな秋晴れが涼しい一日でした。

時間のたつのは早いものです。

3月に演奏させていただいた、磐田市の家具店「折々」さんでの次のライブは12月で…、ということだったので、ずいぶん先だな~と思っていたら、もう打ち合わせに行く頃になってしまいました。

さわやかな茶畑の中にある、とても雰囲気のいいショールームで、ずっと楽しみにしていたイベントです。

今回は荒井さん、まゆちゃんと3人で少し豪華に演奏してみたいと思います。もう少ししたら告知をあげたいと思います。


帰りに買い物をして、うちの奥さんが前から気になっていたという、藤枝の喫茶店「苑(その)」に寄りました。

ところが残念なことに、オーナーご夫婦がもういいお歳になって大変だというので、最近は喫茶は午前中だけの営業で、午後は豆売りだけにしたのだそうです。

仕方がないので帰ろうとすると、いや、一杯だけでよかったら飲んで行ってください、と時間外にも関わらずやさしく珈琲を出してくださいました。

ご夫婦の、とても気さくなお話しぶりと真心に、僕たちはすっかりファンになってしまったのです。

かつてはジャズ喫茶で、ライブもやっていたということ。木の内装がレトロで、外とは違った時間が流れているように感じました。入口の上に、僕の好きなマイルス・デイビスの「リラクシン」の絵が張ってありました。

また伺いたいと思います。朝だけやっている喫茶店も、意外と何だか風情があっていいなあと思うのです。

営業時間は10:00~13:00、水・木・日曜定休だそうです。


Miles Davis - Relaxin'
http://www.youtube.com/watch?v=6vNreXKw2Qw

10/5、6


しかし、よく考えてみれば自分も不思議な活動を始めたものです。

ギターを演奏して、それをお客さんに聴かせていろいろなところを回っているのですから。


今回は埼玉にて、パーカッション奏者「ヤマザキヤマト」さんとの共演で、西川口「如何屋(どうや)」、狭山市「fellows」の2か所で演奏しました。

縁というのは不思議なもので、ヤマトさんと僕の兄に偶然共通の友人が何人かいて、間接的につながっているというではありませんか。

なので西川口には、兄も友達と連れ立って遊びに来てくれました。

業界は広いようで狭いので、いまさら誰と誰が知り合いだったといっても驚いたりしないのですが、自分の身内がそういう話に入ってくるとさすがに不思議です。


今回の2つのライブ、ヤマトさんは、音響や構成が思ったように行かなかったそうで、また次に期待をしたいというようなことを言っていましたが、僕は自分のステージでは、わりと冒険もできて、ふっと自分の感覚が開けたような気がした、いいライブでした。


道中、新鮮な景色が自分の中に入ってきたような感じがして、新しい曲を作ったり、新しいやり方を試してみたくなりました。

この小さな演奏旅行で、なぜか不思議と自分の心がかちっと決まったような気がします。

もうナーバスな気持ちになることはないと思いました。

でもしばらくすればまた崩れてしまうことかもしれませんね。

2012年10月5日金曜日

10/5

昨夜は晴れていましたが、東の空に雷光が瞬いているのが見えました。

偶然用事で、東京に住む義姉と電話していたら、東京は土砂降りだということ。その雨の雲の一部が見えているのかなあと思うと少し不思議な気持ちになりました。


今から埼玉県に行ってきます。2年ぶりの埼玉です。東京以外の県にツアーに行くのも実は久しぶりです。


ゆっくり車を走らせて、途中で珈琲を買って、それからお土産を買って…、景色を見て。

練習しなさい。


それで行ってきます。

告知文は昨日の投稿をご覧ください。

2012年10月4日木曜日

埼玉での2本のライブのお知らせ

この3~4日、口内炎ができて、それが痛いのです。

食事、飲み物、歯みがきなど、「口」関係の動作がことごとく楽しくありません。

特に腹立たしいことには、何日もじりじりと同じように痛みが治まらないと思っていると、ある瞬間に突然ぱたっと治るのです。

ずいぶん痛めつけたからこのくらいで勘弁しといてやるぜ、とでも言いたげなのです。


大体時間的に考えると、明日、治る予定です。


できものがプチっとできて、何だか痛くてつらいなあと思っていると、いつの間にか無くなって今度は拍子がとれなくなり、そうするうちにまたどこかが擦り切れて痛んだりする。

そんな風に繰り返していきます。

時々、激しく息抜きを求めたり、親しい家族にわがままをしてしまったりしますが、まだ自分のことをわかって、話を聞いてくれる人が傍にいるということは幸せなことだなと思います。

ふとした拍子に、何かを乗り越えようと少しだけ勇気を出すことも…、あれ、何か違う話になってきました。

ちゃんと自分の心を揺らしてバランスをとるために時にはそういう痛い思いも必要なのかもしれません。


さて明日から埼玉に遠征です。

何だか変な前置きから始まりましたが、ライブの内容とは一切関係ありませんのであしからず。

お近くの方もそうでない方も、ぜひ息抜きにお立ち寄りください。



■10/5(金)
埼玉・西川口『如何屋(どうや)』
埼玉県川口市並木3-5-17

出演 ヤマザキヤマト(歌と民族打楽器)、丸山研二郎
21:00~ ¥1000 + オーダー
お問合わせ:如何屋  048-251-0009

http://kba21.groupies.jp/~dowya/index.html


■10/6(土)
埼玉・狭山市『Fellow's』
狭山市祇園4-47

出演 ヤマザキヤマト(歌と民族打楽器)、丸山研二郎
open 18:30 start 19:30
投げ銭ライブ(要2ドリンクオーダー)
お問合わせ:Fellow's 04-2957-5460

http://park.geocities.jp/rockinfellows/

10/3

もうすっかりセミも鳴かなくなってしまったし、「暑い」と思うこと自体も少なくなって、秋の夜長、という言葉が似合うようになりました。

夕焼けどきに用事で歩いていたら、広場で子供が遊んでいて、丸いサッカーボールがてんてんと芝生の上を転がって行きました。

涼しい、独特な秋のにおいのする風がわっとふき、何となくそんな光景に、今年の夏のあとかたも、はがれ飛んだような気がしました。


でも、ふとした拍子に、聴き残したハワイアンのメロディなどが浮かんだりすると、少し切なくなったりします。

Peter Moon ‐ My Sweet Sweetie
http://www.youtube.com/watch?v=JtgdM8zsI88&feature=relmfu


今日は、UHUにてショットガンブルースバンドの一員として、最近俳優としても有名な「竹原ピストル」さんの前座をつとめました。

ステージに上がるには助走が必要です。

幅跳びなどのように、ある程度の距離を飛ぶ覚悟をし、きれいに踏み切って、意味のある場所に着地しなくてはなりません。

竹原さんは、ジャンルだけでは、まったくと言っていいほど自分が普段聴いている音楽とはかけ離れていますが、ステージにいる間、ずっと飛んでいるように感じました。

たくさんの部分で、とても心に響く音、メッセージを与えてくれる人だなと思います。


もちろん人間は飛べません。

本当に飛ぼうとして、無様に着地する、これがミュージシャンの宿命というものかもしれません。

僕などはいつもそうです。

2012年10月2日火曜日

10/2

うちに子猫がやってくる…、はずだったのです。


知り合いから連絡があって、保護された猫の里親を探しているとのこと。

週末までに貰い手がなければ、処分施設に送られてしまうというので、もしほかに貰い手が現れなければ…、という条件でOKしていたのですが。

どうやら他にお里が見つかったようで、なかった話になってしまいました。


きれいな毛並みの黒猫だというので、勝手に「マイルス」という単語が頭に浮かび、家では、マイルスが、マイルスは、とすっかり家に来て名前まで付いたような気分で話していました。

きっといいお家に引き取られていったのでしょう。

黒猫の「マイルス」。

会いもしないのに情が移ってしまいました。

まあ、そういう命のあるものを欲しがったり、やりとりしたりするのはあまりいいことではありませんね。

たぬきでも風呂敷しょって遊びに来ないかなあ。

2012年10月1日月曜日

10/1

朝方ふと目が覚めると、窓越しにとても明るい月が輝いていました。

そういえば中秋の名月というものだったと思って、しばらく起きて眺めました。

台風が大気をきれいに洗ってくれたのでしょうか。


今、シンガーソングライター「ZilL」君が、あるラブソングコンテストに楽曲を応募するというので、その録音を手伝っています。

弾き語りの曲ですが、ドラムの代わりにカホンを入れ、ベース、キーボード、リードギターを入れ、香り付けにミニハープを入れ、多重録音でバンドサウンドにしました。

ほんとのバンドなしで、どれだけ音の厚みと、雰囲気を出すか、ということが悩みどころでしたが、まあ何とか形になったように思います。

毎回、いろいろなことを勉強させてもらいます。


夜は、いつも演奏させていただいている、「マキタさんとミッちゃんトコ」に顔を出しました。第一月曜日は「大木としふみ」さんの日です。

大木さんは、とてもきれいなギターのタッチを持っていて、僕はすっと引き込まれました。最後にマキタさんと二人で演奏した「ホテル・カリフォルニア」が耳に残っています。

実は、ホテル・カリフォルニアの最後のギターソロが大好きなのです。


最近、精神的に忙しくて、なかなか人のライブに行けなかったので、なんだか染み入る感じがしました。出してばっかりだとからからになってしまいますね。

どうやら風邪をひいたようで、今日は体調が悪いです。

これから数日は、大きな行事もなく普通の仕事なので、体もうまいタイミングでやってくれるものです。

週末には、埼玉に行きます。それまでに立て直さないと。


■10/5(金)
埼玉・西川口『如何屋(どうや)』
出演 ヤマザキヤマト(歌と民族打楽器)、丸山研二郎
21:00~ ¥1000 + オーダー

■10/6(土)
埼玉・狭山市『Fellow's』
出演 ヤマザキヤマト(歌と民族打楽器)、丸山研二郎
open 18:30 start 19:30

9/30


やはり人間は台風というものには勝てません。

a-cafeでのライブは一応来てくださる方がいらっしゃると思い決行しましたが、結局、実質お客さんは1人…。

結構な人数のご予約を頂いていたのですが、ちょうど時間的に暴風域にあり、電車なども止まってしまっていたので、軒並みキャンセルになってしまいました。

残念、と思いこそすれ、目の前にいらっしゃる方に最善を尽くすのが僕たちの仕事であります。

お店の方も客席に座っていただいて、ゆったりと演奏しました。


もちろん、そういった天気の日は無理して遊びに出たりしないほうがいいのです。少しでも雨風の被害が少ないことを祈るのみです。


久しぶりにセットリストを書いてみます。

前半
1、Wave
2、Aquarius
3、Palhaco(丸山ソロ)
4、しらさぎの歌
5、アイルランド民謡(荒井さんソロ、タイトル失念、ごめんなさい)
6、北街道の唄

後半
1、昼下がりの山口線
2、ふるさと~峠の我が家(まゆちゃんソロ)
3、主よ、人の望みの喜びよ
4、星空
5、ふきの傘
6、私の青空


最近オリジナル曲「Aquarius」のアンサンブルがまとまってきました。

とてもいい感じだと思います。

2012年9月30日日曜日

9/29


今日はお呼ばれして、ある医科大学(写真に載っちゃってるけど)の「口腔外科」出身という皆さんの同窓会のパーティで演奏させていただきました。

つまり歯医者さんのもうちょっと食い込んだ仕事とでもいいますか、いろいろな職業があるもので、まったく違う文化の中に紛れ込んだような気がしました。もちろんみなさん素敵な方々でしたが。


会が始まる前に、ある先生の活動報告のようなものがありました。

それは東日本大震災で亡くなられた、ご遺体の検案という仕事の報告でした。

遺体の損傷が激しかったりすると、最後には「歯」の治療痕などを見て本人確認するしかないのだそうです。そのために、静岡のチームが被災地に入ったのだということです。

先生は、最初は不安で怖かったけれど、自分の仕事は、一刻も早くこの亡くなった方々の身元を割り出して、ご家族のもとに帰すことだと思うことができた、とおっしゃっていました。

専門的な世界だけあって、スライドショーには生々しい遺体の写真もありましたが、その検案をする方々の姿を見て僕はさすがに感動を隠せませんでした。

このような人たちの活躍があって、初めて復興の礎が築かれるのかもしれないと思いました。

僕たちのほうは、いつもステージでにこにこ笑っているだけです。

ですが、そんな大変な仕事をされている皆さんが少しでも楽しんでくださったので、まあ許していただけるのではないでしょうか。


よく、そのようなパーティの余興などを頼まれることがあります。しかし大体そこにいる方々は、別に音楽を聴きに来たわけではないので、周りの人と積もる話がしたかったり、ご飯が食べたかったりして、ぜんぜん聞いてくれないこともしばしばです(でも、必ず横耳では聞いていてくれているのです)。

そんな時、僕は何のためにここにいるのだろう、と悲しくなることがあります。

しかし今日の先生の話を聞いて、では、自分(ミュージシャン)の仕事とは何だろう、とふと考えました。

お客さんに向かいあう時、その周りの状況がどうであろうとも、決して投げ出してはいけない仕事がそこにあるのです。

マイルス・デイビスは、お客さんにやじられて怒っているバンドメンバーに「Play through(演奏し通せ)」と言ったそうです。最後には10分も拍手が続いたとか。

ほんとかどうかは知りません。


演奏が終わって外に出ると、月にきれいな輪がかかっていました。僕は、空の上に流れている時間そのものを生きることはできないけれど、それに深く思いを馳せることができます。


僕たちの「Play through」とは何か。

今日はいつものそんな風な余興演奏よりもずっと、お客さんとつながることができたような気がしました。


今日演奏した曲の中に、「エノケン」が歌った「私の青空(My blue heaven)」という曲がありました。その参考音源を探していたら、とてもいい映像があったので見てみてください。

私の青空 榎本健一
http://www.youtube.com/watch?v=CT0ytkCtLK8


こんな文章が添えてありました。

Some Japanese singers sung "My blue heaven". I don't know why but sometimes I cry watching this video. They seem so amusing.

ちょっといいですね。

2012年9月27日木曜日

9/26


今日は、久しぶりに「もでらあと」にて、荒井さんまゆちゃんとのトリオでのライブでした。


ステージというのは不思議なもので、その場所に立つとなぜか毎回同じ気持ちになります。このお店のステージはこんな気持ち、こちらはこんな気持ち、というのが場所によって違うのです。

ある程度、自分の精神と向き合わなければいけない場所だからこそ、そういう風に、急に過去に立ちかえらされたり、ぐっとその場所の持っている雰囲気に縛りつけられたりもするのです。

不思議なことに、好きなお店だからやりやすい、というわけでもなく、逆にお店の雰囲気は自分とは合わないかなあ、というところで妙に気軽ないいステージができたりもします。

もでらあとは、大好きなお店ですが、ステージとしては、いつも自分に新しい課題を投げかけてくれる、そんな場所です。


それぞれのソロを多めに、いつもとは少し違った静かな雰囲気で、ライブは進んで行きました。

この3人のバンドには中核がありません。もちろんバンド名もないのです。それぞれが別々の場所で演奏の仕事をとってきたりするのですが、そういったお得意先との関係によってリーダーが代わったりもします。

なのでレパートリーも毎回、少し雰囲気を変えます。

今日はまゆちゃんがリーダーでした。まゆちゃんがリーダーの時は、ソロ演奏が多くなります。



最近は大分演奏の中で、少し新しい方向に自分を持っていこうという余裕が出てきました。

しかしその度に自分の未熟さに気付かされます。

というよりそういう事には、とうに気付いているのですが、普段は何とか自分のいいところを見つけて、落ち込まないようにしようというそんな風なことなのです。

まあ、それは音楽に限った事ではありませんが。


これからも自分の内面と向き合いつつ、いい演奏を目指していこうと…、むむ、今日はおかたい文章ですな。

終わって外に出ると、もうだんだんと深い秋です。ふと今まで暑さによって解放できなかった気持ちに気付いたりもします。

2012年9月26日水曜日

9/25

うちの奥さんが急に夜中に起き出して、気分が悪く吐きそうにしていたので、僕も目を覚ましました。

お水と、もし吐きそうならここに吐きなさいと言って、洗面器を持ってきてやりました。それは使わずにすみましたが。

「大丈夫か?どんな感じ?」と聞くと、しばらく黙って横になっていましたが、急に思い立ったようにその気分が悪かったことの説明を始めました。

「土になってたの。」

「え?気分悪いんだろ、どう、良くなったの?」

「だから土になって分解してたの。」

「何それ?精神的な話?」

「そうじゃなくて、だから、この布団も土もおんなじでしょ。それを分解してたんだって。」

気分が悪いことに関して心配して症状を聞いているのですが、はっきりと起きて、きっちり目を開けてこっちを見ながら、何だかどうもあまりにも「詩」のようなことを言うので、面白くなって昨日の夜中にうちの奥さんの言葉をメモしたものを、ここに書くものです。


 夜中に吐き気がした理由
  
 
 自分は空のわたり鳥や 

 土になって

 汚いものや 大切なものを

 ごちゃまぜにして分解していた

 目の前にあるものを あらゆるものを

 自分の体を通すことが私の目的だった

 だから吐き気がしても 私は進まなければ

 いけなかった

 なぜ吐き気がしたかというと

 土には思い出があったから

 それは死んだ人の思い出だった

 私によって分解されようとしていたけど

 私はそれを受け入れがたく思って

 いつかはそれを体に通さなくちゃいけない

 思い出は他のものや 土といっしょになる



というわけで彼女は気持ち悪くなっていたのだそうです。
「土には思い出があったから」というところが、まるで寺山修司ですね。

朝になって聞いてみると、やっぱり寝ぼけていたそうです。何で洗面器が置いてあるの?と言っていました。

旦那が旦那なら妻も妻です。

2012年9月25日火曜日

9/24

夜の帰り道。

向かいから不思議な車がやってきたと思ったら、まったく同じ車種のバイクが2台並んで走っていたのでした。

暗闇の向こうにある、本当の姿はなかなか見えないものです。


今日は「マキタさんとミッちゃんトコ」に久しぶりにお客さんとして行って、会津里花さん率いるバンド「白花」と、リカさんと、オカリナ吹き長谷川さんのデュオのライブを見てきました。

今度、長谷川さん、リカさんと僕の3人でライブをすることになったのです。

オカリナ、一五一会(BIGINが開発した4絃楽器)と、ギターのトリオです。


一番年少の僕が言うのもなんですが、とてもいい縁によって出会った3人だと思います。ミュージシャンにとってだけの話ではないですが、自然な流れによって生まれた縁はとても素敵な力を生むような気がします。


バンドの中でのアンサンブルにしても、どんな仲間と、どういう場所でそれをやるかにしても、自分がその関係の中でどういう音を出し、どう立ち振る舞うべきなのか、常に考え続けなくてはなりません。

自分が、発生させた一粒の音からすべての関係が始まって、それが複雑に折り重なっていきます。

僕も時には、理想や、あざとい気持ちが先行し過ぎて、本来自分が出すべきではない音を出したり、いるべきかどうかわからない場所に無理に出向いたりして、関係がうまくいかず、少し落ち込んだりすることもあります。

大きな目で見ればそれも勉強なのですが、だからこそ、その自分の音について、真剣に問いただしていかなくてはいけないのだと思います。


高台から見える高速道路のパーキングにたくさんの車が停まっていました。

いろいろな縁をもって、どこからか来てどこかへ行くのでしょう。

自分のバイクもそのたくさんの明かりの中の、小さな一粒なのだと思いました。



以下はつまらない話。

マキタさんトコにはインテリアとして小さなTVがあって、最近は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がかかっています。

その映画の中で、ギタリストにしかわからないちょっとした間違いを発見しました。

主人公マーフィが、ドク博士の家で、発明品の巨大なアンプに自分のギターをつないで音を鳴らした瞬間、その恐ろしい音圧にブッ飛ばされてしまうシーンがありますが、アンプのスイッチを入れて、全部ボリュームをあげてから、シールド(エレキギターのコード)をアンプ→ギターの順に挿したのです。

実はそれをやると、漏電して、ものすごいノイズが走るので、本当はギターを弾く前にブッ飛ばされてしまいます。

正しくはギター→アンプの順にコードをつないでからボリュームを上げるのです。

映画の面白さとは何の関係もない、くすくすっと笑ってしまうようなどうでもいい話です。

2012年9月23日日曜日

9/23


僕がいつか楽器を作ろうと思ってとっておいたひょうたんが、うちの奥さんによっていつの間にか多肉植物のお家になっていました。

むむ…、上手にできているのでまあ許してやりましょう。


今日は、荒井さん、まゆちゃんと3人での練習でした。

来週水曜のもでらあとに向けて、先日課題曲になったバッハの「私はあなたを呼びます、主イエス・キリストよ」というのを練習しました。

今回はわりとクラシカルなコンサートになりそうです。

来週は、この3人で3つのコンサートがあります。1つは個人的なパーティでの演奏なので告知はしませんが、他2つはぜひぜひ来ていただきたいライブです。


さて明日も仕事。ちょっと朝早いので、早めに寝ようっと。



■9/26(水)
静岡市清水区 『もでらあと』
清水区新緑町 6-28 TEL 054-335-3234
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
20:00~
http://www3.tokai.or.jp/moderate/

■9/30(日)
静岡茶町 『a-cafe(アー・カフェ)』
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
open 18:30  start 19:00
\2500(1ドリンク付)
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0542741430/



今日の1曲。

最近また聴きなおしている、「マリ・ブルース」です。
アリ・ファルカ・トゥーレは何年か前に残念ながら亡くなってしまいました。

このざらざらした「砂」みたいな感じが、どうも心をとらえます。

Ali Farka Touré-Allah Uya
http://www.youtube.com/watch?v=339uFnhymM4

Ali Farka Touré - Yulli, Ketiné, Ai Du
http://www.youtube.com/watch?v=Nbk7mzryoIk&feature=related

2012年9月22日土曜日

9/22

「最強のふたり」という映画を見ました。

詳しいストーリーは書いても伝わらないので省きますが、中途障害の富豪と、そのホームヘルパーの話です。

障害とは何なのか。本当に偏見や差別をなくすということは、そんなに簡単なことではないようです。

優しさや、いたわりだけが平等なのではない。養護や支援という名に隠された隔離や不条理もたくさんあります。または、不理解や差別のあることほど平等なのかもしれない。

言葉の概念や、制度や世情にとらわれて、本当の人間同士の信頼が失われてしまうことこそが、いわゆる障害者と、そうでない人の軋轢を生んでいるのかもしれません。


前に、公園で座っていたら、ホームレスのおじさんに話しかけられて、君は何の仕事をしているんだ、と聞かれたので、福祉とか介護の仕事をしてますと答えると、あのね、介護なんていうのは、金取ってやるもんじゃないの、うちのおばさんなんかな…云々、と説教をされたことがあります。

いろいろ事情はあるんだろうけど、あなたに言われたくないなあと、どこかで思いましたが、確かに間違ったことは言っていないような気がしました。


信頼のない商売としてのやさしさ。

少し過激な意見ですが、「御利用者様」なんていう言葉は、僕には差別用語にしか聞こえません。

9/21

うちの玄関には、パイプのついたチャイムがかかっています。

これが結構きれいな音階になっているので、偶然ですが時々よく知っている歌をうたうのです。

♪真っ赤なお鼻の…とか、
♪Raindrops keep falling on my head…とか、
♪汽笛一声新橋を…とか、
♪仰げば尊し…とか、

なかなかいいレパートリーを持っているので、可愛く思います。


僕は、どうもいろいろなものに人格を感じてしまったりするのですが、今日、うちの植木鉢に植わっていたクヌギの木が、大きくなったので義父の実家の地所である、裏山に引っ越しました。

きっと今頃初めて地面に降りて、虫や、また同じように山で育っている他の木と仲良くやっているだろうかと思うと、妙にさびしくなりました。

恥ずかしいことに、じーんと目頭まで熱くなったりするのです。


それぞれのあるべき姿、というのは簡単に僕たちに測れるものではないと思います。

うちの父親が、何かの動物番組を見て、「人間だけが万物の霊長だなんて、おかしな考えだなあ。」としみじみ言っていたのをふと思い出しました。


明日は久しぶりのオフです。

何をしようかなあ、と考えると、たまっていた仕事がたくさん発見されて、やっぱり忙しく動くことになりそうです。

どんな時でも、どっしりとかまえていたクヌギの木のほうが、何だかよほどえらいような気がします。

2012年9月20日木曜日

9/20

新しい仕事を始めました。

突然降って湧いたような話で、とある福祉事業所から、朝のヘルパー2、3件と、福祉機器のモニタリングの仕事をしてほしいと頼まれたのです。

今日はその初出勤で、見習いとして、先輩について仕事の経路を回ってきました。まあよくあることですが、概要は分かれど、結局何が自分の仕事で、何が他の人の業務なのかもまだまだ把握できないまま。

福祉関係ゆえいろいろと気も遣うので、何だかものすごく大変なことが待っているんじゃないかと思い、お腹がぎりぎり、となりました。


でも考えてみればこういう感覚も久しぶりだな、と思います。


以前に、就職に迷っていて、ある木製品の工房を見学に行った時、そこの親方に、手を見せろといわれたので、見せると、

「お前は職人の手をしているね。でも金儲けは苦手な手だな。」

と言われました。その人にどのくらい他人のことを見抜く力があったのかよくわかりませんが、こうも言われました。

「とりあえず20代のうちは十分に迷ったりしていいので、三十にして立つっていう言葉だけを覚えときなさい。俺も30歳の時に木工屋になると決めて、この仕事を始めたんだ。だから大丈夫。」

なるほど、と思ったか思わなかったか、自分には妙に力強く響いた言葉でした。

……。

で、僕は来月30歳になるわけですが、相変わらずバタバタとしており、どうも腹が決まりそうにはありません。

……、のところが20代ですね。早かった。

30を目前にして、まわりに一方的に立ち上がらされてしまう、頼りない自分であります。

まあでも少しずつ、「俺ってこうやって暮らしてるんだぜ。」と胸は張れないまでも、説明して恥ずかしくないぐらいにはなってきたかなと、いや、そうならせていただいてるかな、と思ったりするのでした。


四十にして不惑。

そうか、まだ迷うのか。

2012年9月19日水曜日

ライブのお知らせ


今日は雨の中をバイクで走りました。

さわやかで気持ちがよかったのですが、仕事中靴がずっと濡れていました。


最近はいろいろなところでライブが決まりつつあります。

10月には埼玉、浜松、寸又峡温泉、11月には、沖縄、東京、と決まり、12月には、名古屋や大阪にも行くことになるかもしれません。

先日、映像屋の仲間から連絡があり、近いうちに鎌倉近くの葉山で、映像と音楽のライブをやらないかということ。これは予定の調整がうまくいかない可能性もあり、実現するかはわかりませんが、忙しさは忙しさを呼ぶものですね。


9月後半には、3つのライブがあります。


■9/26(水)
静岡市清水区 『もでらあと』
清水区新緑町 6-28 TEL 054-335-3234
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
20:00~
http://www3.tokai.or.jp/moderate/

いつものトリオにて、しかしそれぞれのソロ曲を多めに演奏する予定です。
うまくいけば、新しい曲を披露したい。


■9/27(木)
静岡伝馬町 『ロック喫茶 マキタさんとミッちゃんトコ』
20:00~、21:00~、22:00~、3ステージ
¥1000(飲食別)
http://rock-cafe.biz/

いつも細かく書いていませんが、意外と穴場にて…、みっちり聴くことができます。
最近マキタさんが工夫して音響がどんどん良くなりつつあります。


■9/30(日)
静岡茶町 『a-cafe(アー・カフェ)』
出演 丸山研二郎、荒井豊&渡辺真由子
open 18:30  start 19:00
\2500(1ドリンク付)
http://bar-navi.suntory.co.jp/shop/0542741430/

初めて演奏する場所です。入口にある大きな牛のオブジェが目印(実は作者は知り合いだった)。

雑貨屋も併設されている、非常に雰囲気のいいバーです。演奏はトリオにて、オリジナルが多めになると思います。一来の価値あり。


すべて予約は不要ですが、もし不明な点があれば気軽にご連絡ください。

よろしくお願いします。

2012年9月18日火曜日

9/18

急に沢山の雨が降ったりやんだり、蒸し暑くなったりすずやかになったり、忙しいところです。

今日は、仕事の帰りに大雨の中、車のステレオで久しぶりに、とても好きだったギタリスト、Steve Khanを聴いたらとてもいい気持ちでした。

Steve Khan - Daily Bulls
http://www.youtube.com/watch?v=arMMNZEssrw

上は30年以上前。
一番最近のアルバムもいいです。

Steve Khan- Maria Mulambo
http://www.youtube.com/watch?v=sqKIyIjGrUM&feature=relmfu



この夏は本当に楽しかった。

旅行にも行ったし、静かに物思いにふける時間もありました。

まったく新しい人たちとバーベキューをして、仲良くなることもできた。

気候も体も秋に向けて変わっていこうとしているこの頃です。

2012年9月17日月曜日

9/16、17


親戚うちの法事で、唱歌の伴奏をする。プライベートなのですが、ちょっと面白い写真なので載せてしまいました。

義理の祖母が好きだったという、「青い山脈」「あざみの歌」「みかんの花咲く丘」を弾きました。故人を偲ぶ歌。


その夜は、ライブハウスUHU6周年のパーティ。

ここは僕にとっても、仲間のミュージシャンにとっても大切な場所です。考えてみれば、僕は開店からかかわっていて、平均すると月に一回以上は確実に出演しているので、今までに少なく見積もっても70回以上はこのステージに立っているということになります。


一時期、UHUのステージに上がると、妙に緊張して手が震えてしまい、結局用意して行った曲ができなかったりした事がありました。

ステージに上がって弾き始めた瞬間、「いや…、今日はだめだ。」とかなりはっきりと悟らざるをえなくなり、結果、あきらめて簡単にできる曲を選んだりするのです。まあ、一応なんとかして及第点は出すので、お客さんにはあまりわからなかったかもしれません。

しかし、その悔しさ、情けなさといったらなかった。

自分の一番大切な場所、ホームだと思うからこそ、中途半端なステージはできないという思いが自分にのしかかっていたのでしょう。


そんなこともいつの間にか、船尾の飛沫のように失せ、遠い気持ちに感じます。

ひとつのステージに対する思いも、少しずつ変わっていくものです。

自分中心の書き方で申し訳ないですが、たくさんのお客さんや、音楽を通じた仲間に支えられてきたな、と思うほかありません。

今はひそかに、自分の気持ちを以前よりは強くすることができたことに安心しています。あ、「ひそかに」じゃないや、書いてしまった。

これも、UHUのおかげといえるかもしれません。

2012年9月16日日曜日

9/15


酒蔵コンサート第2弾。今回は、静岡市は手越にあります「君盃酒造」さんで行われました。

君盃さんは、江戸時代から続いている老舗、といっても親子2代のご家族だけで経営している、とてもあたたかな酒蔵さんです。

麹を発酵させるタンクが並んでいる空間を会場にし、前半は僕のソロ、後半は荒井さんとまゆちゃんとのトリオで演奏しました。

このタンクが以外にも、音を反響させ、きれいに会場に回してくれるすぐれものだったのです。鉄の板で音を反響させ、残響を得るプレートリバーブというのがありますが、まわりにそれが並んでいるような、不思議な音響空間です。


酒蔵の建物は、今流行りの蔵カフェなどとは違って、人が集まるように設計されているわけではないので、作業場、という感じがどうもコンサートにはそぐわないように思うことがあります。

しかしそこにいいお客さんが集まって、みんなの気持ちが集中してくると、なんとも不思議なことに最適な音楽のための空間のように思えてくるのです。

単なるこぎれいな内装や装飾だけが、音楽のためにいい空間ではないのだなあと教えられました。


今日の3人での演奏は、お互いの音がよく聞こえて、即興性が高まりました。

三者三様のベクトルを持った自分たちが出すべき音はどこにあるのか、最近少しずつその原型が見えてきたような気がしています。

だからこそ、窓を開けて、新しい風を入れていかなくてはなりません。


君盃さんのお庭に、やはり地下水をくみ上げている水道があって、休憩の合間にそこで、顔をばしゃばしゃ洗いました。味も甘くてとてもいい。

この水がいつまでも豊かに続くように祈りました。