今回の伊太利亭は若い女性のお客さんが多かったです。
何となくかしこまってしまいますね。「んんっ(咳払い)、それでは演奏してもよろしいでしょうか。」なんて。
でも、みなさんゆっくり聴いてくださっていい時間になったと思います。
ゲストは、渡辺真由子さん。僕たちのいつものトリオのピアニストです。まゆちゃんの音が優しい空間を作りました。
マスターのコラムは、「はさがけ(はざかけ)」というものについての考察でした。
はさがけとは、稲刈りの時、最近はコンバインであっという間に稲とモミとに分けてしまうので、だんだんと見なくなった、田んぼに木のやぐらを組んで稲を干す作業のことで、大変情緒ある秋の風景の一つです。
地方によって形が違うようで、うちの実家のほうは結構高いやぐらでした。子供のころ農家の人のいない間に乗って遊んだことがあります。
最近の人は、自分で物事を作らなくなって、自分では何にも出来ないのに、「検索」などによって簡単に得た知識で何でも出来るような気になっている、というマスターのそんな意見です。
考えてみれば、食べ物を専門家が大量にこしらえて売ってくれるようになりましたが、だからと言ってそれを享受している人がその分楽になったかというと、むしろ、その逆のような気もします。
もちろんこれは音楽にも言えることで、利便性だけに偏った機械でこじつけられたり、情緒のないその場限りの価値観で編まれた音楽によって、人が本当に健康になるかというと、どこかそうではないように思うのです。
不勉強な僕たちが少ない知識で勝手に作り上げた道徳を、それがまったく正しいとでも言うように、音楽に乗せて垂れ流すことによって、たくさんの人を逆に迷わせているのではないだろうか、という風にも考えたりします。
不勉強な僕たちが少ない知識で勝手に作り上げた道徳を、それがまったく正しいとでも言うように、音楽に乗せて垂れ流すことによって、たくさんの人を逆に迷わせているのではないだろうか、という風にも考えたりします。
毎回、いろいろなことを教えられる、伊太利亭の演奏会であります。
最近、祭日を土日とくっつけて3連休にしたりすることがありますが、僕はあんまり好きではないなあと思っています。
何となく「目先」だけな感じがしませんか。
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