2011年5月31日火曜日

5/30

近所では段々と田植えが始まっています。

僕が前住んでいた家の近所には、もう蛍が出始めただろうと思い、
夜ぷらぷらと散歩に行ってみました。

そのあたりは、幹線からそんなに遠くないのですが、
田圃の水路や、小川の音が絶えずなっていて、
今の時期は、夜通し雨蛙が鳴いているところです。

僕のかつての部屋で、ちょうど普通の民家は終わっていて、
その先は田畑や、ちらほらとした農家の建物が続いています。

街灯のない、暗い野道を歩いてゆくと、
何かにじっ……と見られているような感じがします。

夜には農具や小屋も、まるで打ち捨てられたように静かで、
何だか、人のいない間は、何かまた異形の者が、
ゆっくりと働いているような、そんな錯覚を覚えます。

雨にぬれた草木が、さわやかな空気を吐き出しています。

闇に沈んでいる杉の木なども、
人には聞こえない声で語らっているようでした。

突然、明るいライトをつけた車が山道を走り抜けてゆきました。

人の作ったものは、なぜ調和しないのだろう?
というつぶやきに対し、

そうでないものも、きっとたくさんあるでしょう。
という、もう一人の見解であります。

西の空にさそり座がゆっくりと沈んでゆこうとしていました。

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