2014年7月21日月曜日

7/21 無花果畑にて

種田山頭火の句集を読んでいます。

生前当時の復刻版で、単行本ではなく、ちゃんと折帖になっているやつです。

寝る前の楽しみにパラパラとめくっていると、托鉢の旅や、庵住まいのわびしさとも瑞々しさともとれない言葉たちとともに、さくさくと草むらを歩いているような気分になれます。

というわけで言い方としてはいかにも安っぽいが、しばし山頭火にはまっている。

ついつい言葉が山頭火風になってしまうのであります。


この間、仕事の合間にふと車を停めたらちょうどいちじくの畑があって、日陰が心地よかったので、

「ひとやすみする いちじくの葉がゆれてゐる」

というのを考えて、お、ちょっといいじゃん、先生どうですか?と思って、ノートに書いておきました。


夜、いつものように山頭火句集をパラパラしていると、何と、

「いちじくの葉かげがある おべんたうを持つてゐる」

というのが出て来た。

ぅがが…、足元にも及ばない、本物の方が数段上でありました。


自分は本当の旅をしてないんだなあとつくづく思います。

0 コメント: