ずっと楽しみにしていた、NolenNiu-de-Ossi(ノレンニゥー・デ・オッシ)とのツアー。今回は、「溜まりBAR夕焼け(白山市)」「もっきりや(金沢)」「村門lazyloft(富山市)」という3か所でライブをしました。
いつも美川というインターチェンジを下りて、田んぼの中を走っていくと、ふーっと心が軽くなっていくような気がするのですが、今回はあまりそういう感じがしませんでした。
きっと何か義務感のようなものに縛られていたのかもしれません。
石川県に着いて早々に、いつも必ずよらせてもらう喫茶店「珈琲のばん」に顔を出すと、マスターがいつもの笑顔で迎えてくれました。
それでやっと、ほっと安心しました。
■デ・オッシのライブ
デ・オッシの演奏は相変わらず不思議なエネルギーに満ちています。
最初は何だか変わった曲だな~という印象が強かったのですが(人のこと言えないか)、何度も聴くうちに詩の言葉の向こう側にある景色や、楽器の音色の暖かさに、どんどん引き込まれていきます。
今回、三味線、ギターの寧さんとは、夜な夜な音楽のことや、旅行のこと、詩のことについてゆっくり話す機会に恵まれました。
ただ単に、共感できた、という言葉で片付けるにはもったいないほどの、大切な会話でした。
しかしあまりに面白い人たちなので、僕はてっきりその正体は狐か狸か何かで、夜になったらドロンと正体を現したらどうしよう、と思っていたのですが、どうやら普通の人間だったようです。
おっと、なんて言って尻尾がばさっと出てきたりして。
白山市(旧松任市)はデ・オッシの寧さんの在所があったらしく、彼がごく幼いころには時々来ていた、ということ。
町名も分かりませんでしたが、夕焼けのオーナーのっぽさんにそんな話をすると、名字からたちどころに場所を言い当ててくれました。
関係の希薄な僕たち街の人間にとっては、忘れてしまった能力です。
その情報と、やっさんのかすかな記憶をたどって、そのお在所に辿りつくとすでに家屋はなくなっていて、敷地は小さな林になっていました。
その周りを囲むような小川にはずいぶん早い水がさらさらと流れていて、近所にはうっそうとした鎮守の森があって、六角堂が立っており、まさにそこが彼の音楽のルーツのように感じました。
文章だけでは伝えきれないですが、そんな素敵な邂逅に立ち会えたことも、音楽の結んだ縁がいたずらしているのでしょう。
いつもとても、ありがたく思うのであります。
つづく
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