2013年9月28日土曜日

9/27 曽爾高原


ノレンニゥー・デ・オッシの歌のモデルになったという「曽爾(そに)高原」という単語が、どうも頭に染み付いていたので、大阪の帰りに行ってきました。

奈良県は曽爾村というところにある一面のススキ野が広がる穏やかな高原です。長い段をつたって高台に登ると、中央の湿地帯やススキの穂並が美しいコントラストになっていました。


休憩しながら見知らぬおじさんと話をしていると、まだこの上がある、ということ。

登山道を分け入って「二本ボソ」という峠を経由し、入山料を払い、さらに隣の「倶留尊山(くろそやま)」に登れるというので行ってみることにしました。

わしらも後から行くから、お兄ちゃん先に行っとってや、というおじさんの言葉を背に、僕はロープの備えてあるごつごつした岩場を登ったり降りたり、細い尾根を歩いたりしながら頂上を目指しました。

滅多にしない山歩きに脚はガタガタになりましたが、はたして頂上は1038m、六甲山や伊勢湾が一望できる素晴らしい眺めでした。

後から登ってきたご夫婦としばし話をすると、余分に持ってきてしまったというお弁当を僕にくださった。

それは何とも身にしみる美味しさで、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

しばらくすると最初にこの山の事を教えてくれたおじさんが、ふうふういいながら上がってきて、狭い山頂で数人、あれが何山、あの向こうがどこどこの街、などと地図を見ながら面白い会話をしました。


山にいると不思議とみんな、すれ違えば挨拶をし、気軽に情報交換をしたり、自然の話をしたり、街では考えられないようなスピードで親しくなります。

頂上を目指す、という一つの目的が人と人とを密接につなげるのかもしれないし、ある面で危険と隣り合わせの環境にいるために助け合おうとする人間の本能なのかもしれません。

何にしろ、それは山登りの大きな魅力の一つなのだなあと改めて感じます。


後から知りましたが、倶留尊山は日本三百名山というものの一つなのだそうです。

頂上では、トンボやつばめの群れが舞っていました。がさがさと猿が逃げて行ったし、植生も面白い。

僕は一人ぼっちで、日々の何かいろいろな事を考えたり、無心になったり、急に人から言われた言葉を思い出したり、そしてまた無心になったりしながら、カシの木やヒメシャラの尾根や、シャクナゲの岩道を歩きました。

登山としては序の序の口なのでしょうが、しみじみと楽しめる山だと思います。

貴重な経験をすることが出来ました。

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