2013年10月5日土曜日

10/5 鬼子母の愛、再演

俳優「関根淳子」さんとともに、先日市内のお寺さんの法要で公演した「鬼子母の愛(岡本かの子)」を再演しました。

これは仏教説話「鬼子母神」を、岡本太郎のお母さんである小説家、岡本かの子が独自の文章で書いたものです。

子供のころ童話で読んだような鬼子母神の話とは少し違い、より精神描写が深く、一つの文学作品としての色合いが前面に出ている内容です。

息子である岡本太郎との関係などの話を横から聞いて知っていたりすると、その文章の動機のようなものが垣間見えて、余計に興味深く読めます。


今回は、前回のご縁からつながって、同じ曹洞宗の別の寺院での法要に呼んでいただきました。

前回は式次第の都合で15分程にまとめた演目でしたが、今回は時間がゆったりとあったので、30分のフルバージョンで演ることができました。

ただの朗読から一歩発展した「動読」という、身体表現を織り交ぜた朗読劇。そこに僕がギターの演奏や、効果音をつけました。

最近では、久々に純粋に気持ち良く演奏できたような気がします。


ご住職のちょっとしたお話の中で、道元禅師の「眼横鼻直(がんのうびちょく)」という言葉が印象に残りました。

道元禅師が中国での長い修業を終え、悟ったことの中の一つ、「目は横向きに、鼻は縦についている。」という至極当たり前ですが、とても禅らしい言葉。

禅師が、中国からお経も何も持たずに帰って来たので(空手帰郷)、それなら何かを教えて下さるだろうと期待している弟子たちの前で語った一言です。

さぞ、面白い一幕であったと思います。

当たり前のことを当たり前に受け入れる。それは転じて、中国に渡ろうとも、今ここにいようとも、目の前に起こっていることを、ひとつひとつ丁寧にこなしていくことで、どんな場所であっても、「同じ」修行ができるんだよ、ということだそうです。

悟りというものは、必ずしも非日常を求める心の中にあるのではないのだ、というお話でした。


今以上、より以上と、どんどん登って行きたくなるのが、ある意味ミュージシャンの性であります。

知識としては知っていても、なかなか実践するのは難しい、禅の境地ですね。


今日はいささか、難しい文章ですみません。

僕が言ったんじゃありません。聴いて来た話ですからね。

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