ギターコンテストと言ったら、それこそ、ポップスから、ロックから、ブルース、ジャズ、ボッサなど、ジャンルだけではなくて、ギターソロとか、フィンガーピッカー(指弾きスタイル)とか、エアギター(…はちょっと違うか)、などなど奏法にわたるまであまりに幅広く、つかみにくい部分がありますが、
「ハーモニカ」というと、奏者やファンもぐっと少なくなるので、コンテストとなると、ある意味すごい人たちが一堂に会してしまう、という面白さがあるようです。
吉祥寺にあるライブハウスを借りきって行われた「F.I.H.JAPANハーモニカコンテスト」は、満員のお客さんの、ものすごい熱気の中で行われました。
僕たちはあえなく落選でしたが、10組の出場者の中から入選は3組、ロックブルースの吹き語りの人、ボサノバの「ソ・ダンソ・サンバ」を吹いた人、ギターを弾きながら、ハーモニカホルダーをつけて、ひとりで「花のワルツ(!)」を演奏した人が入りました。
実はもう30年以上続いているコンテストだそうで、中には10年連続でエントリーしている、という人もいて、10年間やって一度も入賞しない、というのもどうかな、と思ったのですがそれはさておき、歴史を感じました。
しかしこのイベント、おそらくではありますが、メインはそこではなくて、コンテストの後、総勢20名ぐらいの先生格の人たちが、入れ替わりにどんどんライブをやってしまおうという、どぎついイベントだったのです。
バックバンドが1組、そのメインが1曲ずつ変わっていくというスタイルで、著名なハーピストたちが次々と出ては、ものすごい演奏を繰り広げていました。
その中で、いわゆる有名な人とそうでない人の違い、コンテスト出場者と先生格の人たちでは、フレーズという観点では、そこまでの差はないようでも、「音色」が全然違うということに気づきました。
自信や、慣れ、もあるかもしれませんが、明らかにいい音なのです。
心地いい音、意味のある音、ひとつひとつの基本の大切さに気付かされました。
それ以上に恐れ入ったのが、バックバンドの人たちで、コード譜ぐらいは事前に配られているのでしょうが、ほとんど打ち合わせもなく、時にはハーピストの即興の支持に従いながら、当たり前のようにかっこいい演奏に仕立ててしまうその技術には感服しました。
以上、ハーモニカコンテストのレポートであります。
ちなみに僕たちが出場したのは、10ホール部門、いわゆるブルースハープというハーモニカの部門で、次の日には、クロマチック(全音階)ハーモニカ部門が行われたそうです。そちらも大変興味があります。
来年はぜひ、お客さんとして潜入してみてはいかがでしょうか?