2012年9月13日木曜日

9/12


いつも新しい音を出すときは独特の緊張感があります。

久しぶりに2ステージを演奏した伊太利亭でしたが、そのうち2曲にオカリナ吹き「長谷川孝二」さんが飛び入りで参加してくれました。

もともとはビ・バップのサックス奏者で、なぜかギターも上手なのですが、最近はオカリナを吹いています。

長谷川さんの音は純粋であたたかく、時々鋭い。

オカリナは音があまりに透き通っているので、音に自分の内面のようなものも簡単に表出されてしまう。だから自分や聴き手を煙に巻いてしまうような演奏はなかなかしづらい。

という風に以前、練習の時、長谷川さんは教えてくれました。

そんな言葉通りぐいぐいと迫ってくるような音の響きに、いい意味で、これはいい加減な音は出せないなあと、緊張させられてしまったのでありました。


誤解を恐れずに言えば、自分はまあ、自分の息で発音する楽器に比べれば、ごまかしのきいてしまう楽器を演奏しているのですが、それでも結局のところ、演奏を続けていくと、どこかで自分の内面と対峙せざるを得ない瞬間が必ずあります。

演奏経験のない聴き手であっても、どこかでその心の音みたいなものを、意識するしないにかかわらず感じているのだと思います。

あえてそれを無理やり取り沙汰して、表現しようとしてしまうと、また別の奇妙なものになってしまうのですが、技術だけではないその内面の部分がどれだけ音楽家にとって大切なことなのか、ふと考えさせられました。

またいろいろなことを教えられそうだなと思う、音と音との出会いでした。

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