2010年12月30日木曜日

12/30[父のおもいで その1]

僕の実家の近所に、
もう何十年と続いているビジネスホテルがあります。

その中に、サウナ付の大浴場があり、
宿泊客でなくても、お金を払えば入れるようになっていました。

当時、「サウナ」というもの自体まだ珍しく、
今のように街中にスーパー銭湯などなかった時代、
そこは、父や様々な浜松の男たちの憩いの場になっていました。

僕も幼いころから父に連れられて、
毎週のようにそのいわば「銭湯」に通っていました。

僕が生まれる前のことなので、いつ頃から、
どういうきっかけでその付き合いが生まれたのか、
正確にはわかりませんが、数十年に登るその付き合いには、
10年ほど前に終止符が打たれることとなりました。

ホテルの中の制度の問題だとかいうことですが。


お坊さんである父は「お師さま、お師さま」とみんなに慕われており、
今でも交流のある人は、時々実家に届け物に来てくれたりします。

若いころはサウナで汗の水たまりを作って、
どちらが大きいか勝負したとか、

みんなでヤクザものと戦って追い出したとか、
市の議員さんと政治について議論したとか、

裸の付き合いなので知らずに侮っていたら、
実はとんでもなく凄い人でびっくりしたとか、

いろいろな武勇伝は今でも語り草になっています。


なぜそのようなことを書くかというと、
今回偶然、ちょっとした都合から、
そのホテルに宿泊することになったのです。

しょっちゅう通っていた場所ですが、
部屋に泊まるのは生まれて初めてです。

僕は久しぶりにそのお風呂へと足を運びました。


つづく

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